ファンド出資先の取組事例

メイン_2974.jpgおおのミルク工房

 01おおのミルク工房

main_DSC_3163_R.jpgあおもり海山

 02あおもり海山

メイン写真.jpgJ−ACEひびき

 03J−ACE ひびき

main_620C9968.JPGアグリゲート東北

 04アグリゲート東北

620C1925.JPGひこま豚

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株式会社ひこま豚

ジャンル:飲食業 Restaurant business
北海道茅部郡森町 Mori-machi Kayabe-gun Hokkaido

620C1925.JPGスクリーンショット(2012-09-26 17.02.46).png

飲食・精肉販売店の設備増強にファンドを活用
経営に関するアドバイスにも大きな期待

日浅順一さん(41)は、父親が経営する道内初のSPF(Specific Pathogen Free=特定の病原菌を保有しない)豚認定農場「道南アグロ」で飼育された、安全で高品質なSPF豚を加工・販売するために平成25年5月に株式会社ひこま豚を設立。国産豚肉のおよそ 10 %と非常に希少性が高いSPF豚認定農場産の豚肉を自分たちで自由に値付けをして売りたいと、道南アグロと連携して6次産業化を目指した。ファンドを活用して飲食・精肉販売店の設備を増強した日浅さんは、自身にとってのファンドの魅力は、経営に関するアドバイスだと語る。「ファンドの関係者と連携を密にし、毎月の状況を報告し、何かあるときは相談する。大変だけど、自分の勉強になります。」若き経営者は、さらに、国内市場にとどまらず、世界市場を見据えている。
(2015年2月5日 取材・撮影/RPI)

【会社概要】
株式会社ひこま豚
設立:2013年5月
所在地:北海道茅部郡森町赤井川139
資本金:600万円
代表取締役:日浅順一
出資者・出資額:北洋6次産業化応援ファンド※ 300万円/(株)ひこま豚 300万円 (合計 600万円)

※北洋6次産業化応援ファンドとは
平成25年5月に設立。農林漁業者等と2次・3次産業の事業者とのマッチング等を通じて農林水産物の付加価値向上に寄与している。出資者は、㈱北洋銀行、(公財)北海道中小企業総合支援センター、㈱農林漁業成長産業化支援機構。ファンド総額は30億円。

インタビュー

ひこま豚のブランド化で6次産業化を推進

DSC00803.JPG肥育日数180日以上の上質なメスのSPF豚がひこま豚。出荷時には110㎏ほどになる。  「『ひこま豚』として出荷されるのは、肥育日数180日以上の上質なメス豚のみです。同じ品種なら、早いもので普通160日くらいで出荷されますが、それより 20 日も長く肥育する高品質なオリジナルSPF豚です。今の養豚はできるだけ少量の餌で豚を早く大きくし、生産性を上げるために130日くらいの短い日数で出荷する方向に向かっています。」
(株)ひこま豚の日浅順一社長によると、「ひこま豚」とは、生産者「日浅」が「駒ヶ岳」の麓にある森町で作っているSPF豚ということで「ひ(日)こま(駒)豚」と名付けられたという。

 「3〜4年前、うちの農場に浮腫病が入った時期があったんです。免疫のある通常の農場なら大して影響がなかったと思いますが、うちは殺菌されているから弱い。1年間大打撃を受け、直営店をやりたくても当時の農場の経営状況では銀行から借り入れはできませんでした。そこで、2013年5月に加工・販売会社の(株)ひこま豚を設立しました。ひこま豚の社長として、銀行との交渉は一人でしましたが、父に保証人になってもらい、何回も計画を出して銀行に納得してもらいました。」と日浅さん。9月には、約2200万円を投じて森町内の国道5号線沿いに加工場・冷凍庫を設置した飲食・精肉販売直営店をオープンした。 20 席ほどの店内で食事ができるほか、精肉やソーセージの直売コーナーも設けている。ブランドに絶対の自信があるので、市価より3割くらい高めの値付けをしているという。六次産業化・地産地消法に基づく総合化事業計画の認定を受けたのはそのあと、2014年5月のことだ。

豚肉の付加価値を高め、6次産業化で収益向上へ

道南アグロ.jpg豚舎は場外からの侵入を厳しく規制。豚舎内に入るときは必ずシャワー室で頭から爪の先まで洗浄する。 6次産業化のファンド活用については、取引銀行である北洋銀行と日浅さんの父親の文男さんとの間で相談が始まった。しばらく連携体制について検討したのち、「道南アグロとひこま豚で6次産業化のファンドを」ということになり、プロジェクトが動き出した。この案件に出資したサブファンドは「北洋6次産業化応援ファンド」。A-FIVE(株式会社農林漁業成長産業化支援機構)に加え、メインバンクである北洋銀行と、公益財団法人北海道中小企業総合支援センター(以下・支援センター)によって組成されている。

 日浅さんはファンドを活用するメリットを次のように語る。「自分は正直、お金よりも経営に関するアドバイスに魅力を感じました。はじめて経営にチャレンジするなかで、ファンドの関係者と連携を密にし、毎月の状況を報告し、何かあるときは相談する。大変だけど、自分のためになると思ったんです。お金ではなく、自分の勉強のためという側面に惹かれました。」北洋銀行と支援センターの担当者が何度も店に足を運んで、5年間の事業計画書をアレンジした。会社を始めて間もなく、不安を抱えていた日浅さんに対し、出資同意の決定前にも売上などをチェックし、いろいろなアドバイスで支えてくれたという。日浅さんはA -FIVEの専務と北洋銀行地域産業支援部の部長との面談を振り返る。「自分は豚屋なんですけど、ずっと飲食畑でしたから得意分野のほうもいずれやりたいと話したら、必要な時期に資本金を増やして大きくしていきましょうと言ってくれたんです。」

出資の決め手は、地域資源活用と事業の成長性

IMG_2243.JPG約2200万円を投じて、加工場・冷凍庫を設置した飲食・精肉販売直営店を2013年9月にオープン。 出資受入前の(株)ひこま豚の資本金は100万円。自己資金で200万円増資して300万円にし、さらに北洋6次産業化応援ファンドから300万円の出資を受けて飲食・精肉販売店の設備を増強。沿道で店舗を目立たせるための看板設置や、ハム・ウインナー用の加工機械増設などで、飲食・精肉販売のさらなる拡大を狙った。「毎月、頭を抱えるほど大変なんですよ。売上が減少した時だけでなく、売上が増加した時にもその理由を分析しなくちゃならない。でも、若い経営者にもファンドの活用をお勧めします。お金を出したらおしまいという従来の融資とは違い、相談相手になってくれるのが心強いはず。経営者として未熟だと、最初はしっかりしていても途中で変な方向に行かないとも限りませんが、暴走をセーブしてくれる安心感があります。」

 一方、出資を決めた理由について、サブファンドの担当者である北洋銀行地域産業支援部の越田雄三さんは次のように語った。「養豚の盛んな森町の特産品として地域資源を生かした事業展開を行うことで、新たな雇用を創造できます。また、北海道が掲げる『食の付加価値を高める』という課題にもマッチしています。さらに、生産能力の高い道南アグロとの連携ですから、事業の成長性が期待でき、将来性を感じました。森町の店は旗艦店で、今後のマーケットは札幌。まず札幌に1店舗目を出すために、物件探しを手伝っています。どんどん事業を大きくしてほしいですね。」

年間1万8千頭のSPF豚を全量売るのが最終目標

re620C2007.jpgre620C2007.jpg株式会社ひこま豚 代表取締役 日浅順一さん(41) 父親の文男さんが経営する農業法人「道南アグロ」で飼育されたSPF豚を加工・販売するために平成25年5月に(株)ひこま豚を設立。 日浅さんはあくまで直売にこだわり、高級飲食店や百貨店、高級スーパーやホテルを対象に販路開拓を進め、「北海道育ち ひこま豚」として認知度を高めている。「相手先と対等の関係を保ちながら販路を拡大し、道南地区ではブランドが定着してきています。当初は、5年後に全体で年間2億円の売上を目標にしていましたが、もっと上を目指せそうです。ブランドを確立するためにも安易な安売りをしないで、ひこま豚をしっかり育てていきます。」

 道南アグロが月間に出荷する1500頭のうち、店で使っているひこま豚は80 〜100頭くらい。全体の 10 %にも達していない。この会社を始めたミッションとして、父親の文男さんが作った豚をいずれは全部自分で売りさばきたいという思いが日浅さんにはある。今後、札幌市内にレストランや飲食・精肉販売店を計3店出す計画だ。北海道だけではなく全世界に売っていくために、2015年内の海外輸出の実現を目指す。「香港そごうで9月に行われる北海道物産展に生ハムなどの商材を出品するつもりです。香港の次はシンガポールやバンコクなどへの輸出も考えていきたいですね。」

サポーター

〜ここで働く仲間、外部でサポートしてくれる仲間がいて成り立っている〜

ひこま豚をサポート

有限会社道南アグロ 副場長
澤田直人さん(35)

直営店で活気が生まれ、働く意識が大きく変化

re620C2002.jpgre620C2002.jpg農場スタッフ9名で、800頭の母豚の世話とその母豚から生まれた子豚の飼育に取り組む。 食料自給率276%を誇る森町は「いかめし」発祥の地なのに、実は提供する店がない。豚の直営店ができ、森町の次の名産品として町長から熱い期待を寄せられているのが豚丼だ。また、森町の小中学校の給食の豚はひこま豚。小さいころから美味しい豚で食育ができる。子どもが通う小学校の先生も直営店を訪れて購入し、「お父さんが育てている豚、美味しかったよ」と子どもに感想を伝えてくれるという。少数精鋭の道南アグロのスタッフは平均年齢 34 〜 36 歳と、同業他社と比べて若い。「ブランドを守るために気をつけていることは衛生面です。家族や友人からのいい評判を聞くと誇らしい反面、今まで以上に気が引き締まります」と澤田さんは言う。

株式会社ひこま豚  ひこま豚ファーマーズショップ 店長
附田明広さん(43)

社長の想いに応えつつ、のびのびと本領を発揮

620C2091.JPG仙台でひこま豚を扱っていた飲食店の店長としての実績を買われ、ファーマーズマーケットの立ち上げから参加。 「北海道の森町で一緒にお店をやろう」という日浅社長の誘いにすぐに応えることができなかったという附田店長。しかし、当時働いていた大きな飲食店より、のびのびと仕事ができるのではないかと思い、妻と子供を仙台に残し、最初の1年は単身赴任でやってきた。「最初は看板もないような状況で、店舗運営にも四苦八苦して、けっこう不安でした。でも、ファンドを活用して設備を整備してから、売上が伸びました。」道南アグロ産「北海道育ち ひこま豚」の通信販売を2011年2月にスタートし、2014年 11 月には「ひこま豚楽天市場店」がオープンし、販路拡大に取り組んでいる。「社長は農場のケアにも関わり休みなく働いている。社長がもっと楽できるように勉強して、経営をサポートしていきたいですね。」

ひこま豚 商品Data

01 ひこま豚の商品 
ハムはすべて長年のつきあいのある函館の会社に加工を委託。ハンバーグやシュウマイは自社で作っている。

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02 塩こうじ漬
肩ロースやリブロースの切身のほか、バジルソテーやガーリックチーズ、塩こうじ漬と味付けされた肉も販売。

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03 しゃぶしゃぶ用肉 
「ひこま豚を最も美味しく食べるには、しゃぶしゃぶ」とひこま豚ファーマーズショップの附田店長は語る。ひこま豚のために3週間かけて作られた自家製ポン酢と相性抜群。

しゃぶしゃぶ肉.tif



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