関村牧場

達人名:関村清幸(関村グループ 代表)
ジャンル:畜産農業 Livestock agriculture
地域:宮城県栗原市 Kurihara Senda

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BSE問題の危機を起死回生のチャンスに変えた! 新生漢方牛の生みの親
消費者を巻き込んだ商品づくりで「6次×2」の12次産業を目指したい

宮城県栗原市出身。レスリング(宮城県代表国体3位の実力)に没頭する高校時代、病に倒れた関村場長だった父を助けるため家業を支える。27歳の時に、当時牛の販売のみを行っていた関村畜産を、生産から一貫して取り組む業態へと転換することを決意。地元農家とともに育成、肥育、出荷までの体制を整える。BSE問題を機に、試行錯誤の末、漢方飼料や自然交配といった独自の飼育方法による画期的な「新生漢方牛」を育てることに成功。現在、牛だけでなく、バリエーション豊かな加工品を展開しつつ、今後さらに地域が一体となった”循環型農業”を実践するために邁進している。

■関村牧場

インタビュー

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新生漢方牛のブランドが生れた経緯を教えてください。

interview_photo01.jpgうちは先祖代々百姓で、親の代までは牛の販売だけを手掛ける畜産農家でしたが、私の代になってから飼料作りに始まり、育成、出荷・販売していく一貫した牛づくりをしたいという思いのもと、地域農家と連携しながら牛の販売体系を築いてきました。今では10か所ほどの牧場を預託して約1000頭ほどの牛を育てています。そんなときに起こったのがあのBSE問題です。「人の都合のよいやり方で牛を育てるからこういうことになるんだ」そう思いました。これからは、本当に健康な牛づくり、牛肉本来のおいしさを追求しなげればやっていけない。「氏より育ち」、だから、霜降りじゃないと思ったんです。だから私は牛骨粉などを使わずに、牛にもいい餌を与えることで安心して食べられる健康な牛が育つと考え、中国伝来の東洋思想から人間の健康にも良いとされてきた自然草(漢方)を与えることを思い立ちました。こうして生れたのが「新生漢方牛」です。自然に則した状態で牛づくりを行えばちゃんと健康な牛が育つんだ。それがBSE問題から私が学んだことだったのです。今ではパートナーである(株)ダイチさんの協力のもと直販体制で顧客に信頼されるブランドとして成長し、トレーサビリティの面にも最大限配慮した体制で消費者に安心・安全牛肉を提供することができています。

「新生漢方牛」のブランドを確立するまで、どんなところで苦労しましたか?

interview_photo02.jpg新生漢方牛は、独自にブレンドした漢方飼料による肥育と自然交配が特徴で、これまでとは一線を画す肉質をもった健康的な牛が育ちます。通常の餌に比べコストは高くなりますが、病気になる牛が少なくなるので、最終的にはきちんと採算も合う。ところが牛が健康になればなるほど、霜降りが入らなくなるのです。当時の市場では、赤身の評価が低く高くは売れません。それをいくら我慢できるのかという葛藤を抱きながらのスタートでした。しかしやってみる価値はあると思い、すぐに商用登録の申請に入りました。この牛の良さを知ってもらうために重要だったのは、ポスターやWebサイト、試食などを積極的に行いしっかりPRすることでした。そうこうしているうちに次第に全国的にも赤身の牛肉の美味しさが認知されるようになり、今では全国に新生漢方牛のファンも増え、これに伴って赤身の価格も上がりました。霜降り信仰が根強い同業者のなかで、当時の私は市場に逆行するような発想であったかもしれません。霜降りを作れば高く売れるわけですから。でも人が健康になれるものをつくることを追求する。最終的にはこれに尽きると、そう信じてきたことに間違いはなかったのだと今は思います。

どのようなかたちで6次産業化の認定を受けることになったのですか?

interview_photo03.jpg「いまのままで農業がやっていけるのか」それが私が畜産を始めたときに思ったことでした。そもそも農業がやれる経済体制をつくらなければどんどん農業が衰退していってしまいます。今回、6次産業化認定を受けましたが、これから立ち上げる事業は一言でいえば消費者にダイレクトに商品を提供できる環境を整え、年間通して自分たちが価格をつくれる”循環型農業”のシステムです。新生漢方牛ブランドを軸に、地元でさらに大きく事業を展開していくために動き始めています。これまでも新生漢方牛はレトルトやローストビーフ、ソーセージなどさまざまな加工食品を展開してきました。でも牛は大事だが牛だけではだめだ。という風にも思っています。新生漢方牛の肝になっている漢方たい肥を用いた野菜の栽培や米づくり、その米から作った日本酒、豚、ブルーベリーといった牛以外の農産物も手掛けています。そこには消費者目線を取り入れて、農薬や化学肥料に頼らない商品の開発も進めていきたいと思っています。そう考えると目指すべきは6次産業化どころか、さらにもう一巡させた12次産業化になるかもしれませんね(笑)。要は自分たちでつくったものを自分たちで販売できるようにすること。つまり自分たちで農業を成り立たせる経済をつくっていこうというもの。それが6次産業化ということなのです。 ただ一口に6次産業化するといっても、なかなか難しいので、まず、つくった牛を販売してくれる(株)ダイチさんとの取り組みの中で農商工法連携にも認定されていた経緯がありました。農商工法連携は経済産業省による商側の支援になりますが、まずこれで協力企業側の体制を整え、それから農業者支援よりの6次産業化認定を受けるというステップを踏むのがひとつの道筋として良いのではないかと思いますね。

6次産業化に期待することやメリットはどんなところですか?

interview_photo04.jpg新たな事業展開にはまず資金面が問題になると思いますが、認定を受けることで税制の優遇や低金利融資を受けられるなどさまざまなメリットがあるので、これを活用しない手はありません。そして特に大事なのが異業者との交流だと私は考えています。同じような発想を持った同業者との話ではなく、全く別の観点からみた商品や流れを知ることで、ヒントが見つかるはずです。そういう意味で6次産業化のネットワークはこれから大いに活用できるはずです。認定されているのは農業法人や団体が全国的にも多く、まだまだ個人事業者は少ないかもしれません。でも個人の事業者でも目標を持ってやるのであれば認定を受ける意義はあると思います。補助をもらって何かをするという発想ではなく、自分が何をしたいのかを明確に持って入っていく。逆にそうでなければ遅い。今後は県レベルで6次産業化プランナーの配置や地域の連携をつくるボランティア団体の認定なども進んでくると思いますので、積極的に利用して相談を持ちかけたら良いと思いますよ。

今後の事業展開で目指しているのはどんなことですか?

interview_photo05.jpg東北はご存じの通り3月の震災で農業は大打撃を受けました。そのため全国展開していく前に、まず地域の復興のための取り組みをしたいと思っています。今働きたいという人がいても雇用の場がない状態です。なのでそういう人たちのために私の事業を活かそうと考えています。震災した県の人々と地域にいる人たちを集めて、社員として雇用する形です。まずは復興。足場を強固なものにすることにまず注力をしながらも、将来見据えているのはここ栗原の地から発信する全国ブランド。今はまだお教えすることはできませんが、大きな構想を描いてその一歩を踏み出しているところなんです。


サポーター

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赤身と脂のおいしいバランス、関村牧場の漢方牛を支えるサポーターたち。
農薬や化学肥料に頼らない消費者目線の商品づくり。

宮城県 栗原市 株式会社ダイチ
代表 佐藤 勝郎さん

support_photo01.jpg氏名:宮城県 栗原市 株式会社ダイチ
代表 佐藤 勝郎さん
ジャンル:販売会社
商品:新生漢方牛
生産者の関村牧場のパートナーとして新生漢方牛を全国に発信しています 栗原の地産地消的な食材から、宮城発全国ブランドへのステージアップに向け、県産・安全安心はもちろん、肉の旨味と程良い脂身が特徴の“健康・美味なヘルシービーフ”として漢方牛独自のカテゴリーを確立し、生産者・ユーザーと一体になった共栄共存のモデル創りに挑戦ています。

■関村牧場:
http://www.sekimura-farm.jp/


宮城県 栗原市 「よさこい店長」堀江孝司さん

support_photo02.jpg氏名:宮城県 栗原市 「よさこい店長」
堀江孝司さん
ジャンル:小売店
商品:栗駒山麓のしんこもち
宮城県栗原発のおいしい特産品を全国に発信しています。
栗原市の地域に根付いた農作物の代表となるお米から、名物のしんこもちを販売しています。またお米を加工した米カステラなど関村牧場と同じように地域の農業を活性化させる6次産業化の取り組みを行っています。

■くりはら直売館 よさこい:
http://www.yosakoy.jp/shop/kampo/index.html



達人からのメッセージ

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◆達人の第6感
人が手をかけて作ったものは崩壊する。これからは、本当に健康な牛づくり、牛肉本来のおいしさを追求しなげればやっていけない。「氏より育ち」、だから、霜降りじゃないと思ったんです。

◆達人の教訓
やるしかない。だめでもともと。行動は、即断即決が大事。風のごとく誰よりも素早く実行することだ。

関村牧場の製品

001 とろとろロースステーキ
箸で触れただけで切れるほど柔らかい最高級の漢方牛のロースステーキ!お年寄りや小さいお子様にもおススメの究極の逸品。

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002 院殿
「こんなにうまい米なんだから、日本酒をつくってもうまいはず!」という関村さんの大胆発言から、宮城を代表する酒蔵「綿屋」が作りだした「院殿」。"肉に合わせる酒”として既に銘酒の呼び声も高い。

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