JA福岡大城

達人名:牟田昭博(JA福岡大城 直販課 課長補佐)
ジャンル:農業 agriculture
地域:福岡県大川市 Okawa Fukuoka

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地元、自慢のブランド果実を全国に発信!
行政、地域企業との連携を図り、農家の夢を実現する農協の夢先案内人

福岡県農協中央会に6年前まで勤務し、地域農業支援に従事。その後、新たに福岡大城農業協同組合に復帰。3年前から農作物の加工品による新製品開発に携わる。大川市の特産品である博多あまおうで作った「美酢あまおう」が年間で1万本の販売を達成しヒットした。続くシリーズ商品として今年から本格的に、福岡県のオリジナル品種であるいちじく「とよみつひめ」の飲む酢の開発に着手。フットワーク軽く、行政、地域企業との連携・調整を行いながら、農家発の新商品のアイデアを形にすべく、日々奮闘している。
※牟田氏は、2011年9月をもって退職されていますが、この事業は継続中です。

■JA福岡大城

インタビュー

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いちじくを使って飲む酢をつくろうと思ったきっかけを教えてください。

interview_photo01.jpgここ福岡大城農業協同組合では、一昨年、県下で2位の販売高(30億円)を誇る「博多あまおう」を使った飲むお酢「美酢あまおう」を開発しました。はじめ限定2000本ほどを生産したのですが、2週間で売り切れてしまうほど好評で、昨年からは大々的に売り出し販売数1万本を達成しました。販路は地元九州以外にも東京や少量ですがアメリカ・シンガポールへも輸出するなど取扱い店も拡大しています。この実績を踏まえて、福岡県のオリジナル品種であるいちじく「とよみつひめ」で、「美酢あまおう」に続くアイテムとしてシリーズ展開しようと思ったんです。「とよみつひめ」は糖度が16度~18度と非常に高い品種で、美味しい酢をつくるのに適していますし、上品で自然な特有の甘みを持っているので、これもまたきっと美味しい酢ができると思います。「美酢あまおう」というヒット商品が生れたのに1種類だけではインパクトが小さいので、これをシリーズ化して展開したいという思いは以前からありました。今年、6次産業化の認定を受け、地元ブランドいちじく「とよみつひめ」の新商品づくりに向けて、新たなチャレンジを始めたところなのです。

新商品開発に至るまで、いちじく栽培で抱えていた問題点はどのようなことでしたか?

interview_photo02.jpg管内の地形は平地ばかりなので、梨やブドウ、桃といった山地で栽培できる果物が生産できません。ですから特産はいちご、そしてこのいちじくだけです。いちじくは高齢者や女性農業者でもわりと栽培しやすい果実なのですが、青果としての品質が収穫時の天候によって左右され、しかも鮮度を保つことが難しいため、カビの発生や軟化により商品価値がなくなり、廃棄するものが多く発生する傾向にあります。そのため生産状況や販売計画の変更を余儀なくされることもあり、生産者の収益も不安定になりがちでした。いまの農業の現場では、やはり農業だけで生計を立てることは難しくなっているのが現状です。実際に現場で作業する人の6,7割が女性ですが、彼女たちでいくつかのグループを作って共同で農作物の生産をする体制を取っています。そんななか「いちごの加工品を作りたい」という声が女性グループの間から上がって、美酢あまおうの開発に乗り出しました。そもそも農業は、余ったものの有効利用が課題なんです。美酢あまおうの定価は975円ですが、通常の企業が作った場合はもっと高価になると思います。ですが、私たちはもともと捨ててしまっていたものを有効利用して作っているで、売れればそれなりに利益が出るものなのです。それが6次産業化のいいところでもありますね。農家の方が主体となってもっと知恵を出し合えば、今後もいろいろな可能性が広がるはずです。

6次産業化認定を受けるに至った経緯は?

interview_photo03.jpg私は行政とJAで連携をとって地域振興を進めることはとても大事だと思っています。大川市役所側からも全国に発信できる新しいブランドを立ち上げたいという意向があり、いろいろと相談や協力体制をとってきました。インタビュー写真03事前の研修会などに出席したり、申請資料も早い段階から作成していました。早め早めの段階で6次産業化についての情報をキャッチして準備し、いちじくでやりたいんだ!という意欲を打ち出してきました。認定の是非については、やはり博多あまおうの飲む酢での成功事例が大きいと思いますね。以前、博多あまおうの方で農商工法連携に申請したのですが、商品展開規模が小さ過ぎて残念ながら規定に該当せず。ですから今回6次産業化の認定を受けることができたことで、さまざまな助成金や資金融資、販路開拓、商談会への出品などの機会も増えることは大変嬉しく思っています。六次産業化法は、個人農家さんにとって明確に「これでいく!」というものがあれば認定を受けやすいかもしれませんね。同県で6次産業化に認定されたある半農半漁の農家さんでは、自作の米に自分たちがつくった海苔を巻いておにぎりにして販売することで認定を受けている。つまり、その組織にとって何か新しいことにチャレンジしていればいい。そういった意味で、6次産業化の認定は小規模農家さんでも知恵出せば取り組みやすいのではないかと思いますね。他の地域の事例を参考に、自分たちなりに考えてもよいでしょう。思っています。

新商品開発にあたり協力企業にはどんな会社がありますか?

interview_photo04.jpg果実を米酢などの醸造酢に漬け込んで作る商品は既にあちこちで発売されていますが、私どもは自分たちで生産したいちじくを原料に、静置発酵法による「飲むいちじく酢」を作ろうと思っているのです。製造は福岡県大川市で300年以上の歴史を誇る老舗「株式会社庄分酢」さんです。14代目の当主である高橋さんに「何とかこれで酢をつくってくれないか」とお願いしています。静置発酵法は昔ながらの伝統の製法で、3カ月かけてじっくり発酵させて作るので、できあがりがとてもまろやかで香り高く、また透明感のある綺麗なお酢に仕上がる見込みです。まさに地元企業の伝統の技が息づいた逸品。商品が完成するまで、品質のほかにネーミングやパッケージデザインなどの工程がありますがいずれも福岡の企業にお願いしています。地元企業とのつながりについては、福岡県にもプランナーが5名いるそうなので、こういう方々のサポートを仰いでコネクションをつないでもらうのもひとつの手だと思いますよ。

新商品「いちじくの飲む酢」の今後の展開について教えてください。

interview_photo05.jpgいちごは絞れば割合に簡単に果汁が出ますが、いちじくはなかなか難しく製品化までにはまだまだ試行錯誤の段階です。私としては「万が一失敗したら」という不安もあり、農政事務所の方にそのことを相談したのですが、「それでもいいんですよ、どうぞチャレンジしてください。」という心強いお言葉をいただきました。やはりチャレンジしてみることは、農家の方々にとって今一番必要なことだと感じています。モチベーションも上がりますし、実際に商品になればさらに自信にもなる。飲むいちじく酢は、女性向けの商品として打ち出そうと思っています。健康ブームにもぴったりのお酢ですし、いちじくの栄養は美容に効果的なので、広く全国の女性たちに愛される商品になればいいなと思っています。まずは買っていただくことを目指して、商品開発に勤しんでいきたいと思います。


サポーター

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博多あまおうにも勝るとも劣らない大川市の宝!
福岡オリジナル品種いちじく「とよみつひめ」を支えるサポーターたち。

福岡県 大川市 庄分酢 福山寛さん

support_photo01.jpg氏名:福岡県 大川市 庄分酢
14代目当主 高橋さん
ジャンル:酢蔵
商品:静置発酵法によるお酢
いいものは変わらない。変えてはいけない。
酒造りに適した水の豊かな郷として知られる大川・城島で酒造り、そして酢造りを始めて300年。仕込みから熟成、そして瓶につめてご家庭にお届けするまで昔ながらの手法でひとつ、ひとつ進められていく庄分酢の酢造り。 本物の手造りの味がここにあります。

■庄分酢:
http://www.shoubun.jp/




福岡県 大川市

support_photo02.jpg氏名:福岡県 大川市
ジャンル:いちじく栽培 
商品:いちじく「とよみつひめ」
イチジクは熟れて1日が勝負。一番美味しい時期を見極めて収穫しています。
「とよみつひめ」は新品種ということもあり、試行錯誤、切磋琢磨しながらこれまで育んできました。私の場合、ハウスではなく露地で栽培しているので、品質を落とす雨には特に気をつけて栽培しています。 今後は、肥料や水にもこだわりながら、糖度を落とさずにサイズの大きなとよみつひめをつくることが目標です。

■ファームステーションふくおか:
http://www.fs-fukuoka.com/



達人からのメッセージ

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◆達人の第6感
商品は味だけじゃなく見た目も重要。完成した飲む酢が美しいルビー色に発色しているのを見て、これはイケる!と思った。

◆達人の教訓
いかにたくさんの人に飲んでいただけるか。販路開拓・拡大までが商品の肝だ。

JA福岡大城の製品

001 美酢あまおう
いちごの全国トップブランド福岡産「博多あまおう」で作った飲む酢「美酢あまおう」。地元の昔ながらの製法で生み出す逸品は、美容や健康にも最適なドリンク。

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002 とよみつひめ
福岡生れのオリジナルブランド「とよみつひめ」は、色鮮やかなルビー色の果肉を囲んでいる肉厚な白い果肉が特徴。上品で自然な甘みと芳しい香りが”クセになる味わい”。

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