株式会社明宝レディース

達人名:本川栄子(株式会社明宝レディース 取締役 会長)
ジャンル:加工製造業 Processing manufacture
地域:岐阜県郡上市明宝 Gujyoshi meiho Gifu

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農家に嫁いだ主婦の知恵で生み出す、手づくり商品が大ヒット!
農村地域で女性の働く場を創出する生活改善グループの世話人

昭和36年、岐阜県明宝地域に暮らす農家の人々の食生活改善や、生活環境の改善及び親睦を目的として、農家に嫁いだ主婦によりグループが発足。それが現在の明宝レディースの元となる。主婦たちによる農作物を使ったアイデア商品を手作りしながら、昭和56年頃から村民センター前で開かれる青空市場に出品、販売を行うようになる。その後も地域の作物を活かしたさまざまな食品加工を行い、平成4年になると村長の意向から、女性だけで組織された株式会社明宝レディースを設立(命名は元岐阜県知事の梶原氏による)。地元の農家の女性たちの雇用の場となっている。平成9年に「明宝トマトケチャップ」がテレビ番組で紹介され一躍ヒット商品になり、この地域の特産、お土産品として全国に普及するようになった。

■株式会社明宝レディース

インタビュー

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女性だけの会社、明宝レディースの発足とその取り組みを教えてください。

interview_photo01.jpg 私たちの組織は、昭和36年、岐阜県明宝地域に暮らす農家の人々の食生活改善や、生活環境の改善及び親睦集団として発足した農家に嫁いだ主婦によるグループが始まりで、それが現在の明宝レディースの元になっています。明宝は、ほとんどが山に囲まれた土地で、こうした中山間地域の小規模の農家に嫁いだ主婦たちが集まり、月に何回か食事会を開きながら農作物を使ったアイデアを出し合い、それを手づくり商品として形にしていくようなことをしておりました。昭和56年頃から、そこで生まれた商品を、村民センター前で開かれる青空市場に出品、販売するようになっていきました。これが明宝レディースの出発点で、地元のお母さんたちが協力し合って野菜や山菜を美味しく料理して、村を訪れた観光客へのお土産品として提供していたのです。初めはなかなか売れずに苦労した時期もありますが、平成9年に私どもの「明宝トマトケチャップ」がテレビ番組でハンバーグソースの特選素材として紹介されたことで火が付き、大人気の商品になりました。今では、この商品が明宝の豊かな自然の恵みから生まれる商品として、「明宝ハム」と並び、地域を代表する特産、お土産品として全国に知られるようになりました。


明宝トマトケチャップのこだわりや商品特徴を教えてください。

interview_photo02.jpg 農家の主婦ならではのアイデアによる商品ということで、添加物を使わず、素材本来の味わいを活かした美味しさを表現したのが「明宝トマトケチャップ」です。収穫されるトマトのなかには市場では売れない規格外のものがあります。その中でも完熟で美味しいものだけを原料として選び、ひとつひとつ丁寧に手作業で洗い、ヘタを取るとこから始まります。その工程と隠し味には、美味しく仕上げるための農家の勘が生きているのです。
岐阜県の高冷地では、昔から、夏場はトマトや米の栽培を行い、大雪が降り農作業ができない冬場にはスキー場に行く、というのがこの地域に多い生活習慣となっています。中山間地域の農業は、大規模な農場経営もできないので、「県外へ出荷するため」ではなく、「自分たちで作り自分たちで食べるため」の農業が行われてきました。そのため、加工品のアイデアも育つ土壌であったと言えるかもしれません。農家に嫁いだ主婦たちが集まり、日々アイデアを出し合いながら生き生きと過ごしている中で完成した美味しいレシピ。これが全国の人に愛される商品を生んだ背景です。


6次産業化についての考えをお聞かせいただけますか?

interview_photo03.jpg 実は、私たちは6次産業化の認定はまだ行っておりません。ただ、これまで行ってきた取り組み、そのものが農業の生産から加工、販売を農家の主婦たちが手掛けるという6次産業化の一連の流れを持っていると言えるでしょう。売るものを作るため、というよりも、自分たちの持っている知恵や地域の資源を活かして何かしよう!という前向きなエネルギーをもとに前進してきました。ですから、明宝トマトケチャップができた当初のなかなか売れ行きが伸びない時期でも、もう辞めてしまおうという考えにはならなかったのです。自分たちの商品価値を信じて粘り強くPRを続けた結果が今につながっているのだと思っています。ただ、現在は販売量が大変多くなり、年間の販売数も増加したことから地元だけでは賄いきれないため、トマトはJA飛騨から購入する体制に切り替えました。明宝トマトケチャップ以外にも様々な商品を扱っていますが、私どもは株式会社ですので、やはり売れ行きのよいものだけを残し、売れにくいものは販売中止にしていくようにしなければなりません。販売体制についての管理も自分たちですべて行っています。事務所や加工場、厨房などの施設設備は県からの補助をいただいて建てたものですが、経営全般においては自分たちで自立して行っています。



株式会社という形での事業展開のメリット、デメリットはどのようにお考えですか?

 株式会社にすることで、一農家のように後継者問題で苦労することはありません。社員は全員女性で、みんな主婦ですので、女性が働きやすい職場を整えることで、次期社長を担っていく人、新しく入ってくる人も定期的に入れ替わりながらも、経営を持続することができます。この地域は中山間地域のため、やはり地元の農家は高齢化が進み後継者がいなくなっています。私たちが明宝レディースとして地元の農業を活かした株式会社を設立することで、地域の雇用を促進し、人々の生活を安定させることにもつながっているのです。そもそも株式会社にしたきっかけは村長の意向が強くありました。地域女性の働く場の創出を促進する目的のためです。今は、社員は13人ですが、定年63歳までずっと働きます。 女性も主婦として家に引きこもっている時代ではなく、女性同士がグループになって社会貢献することで、家庭とはまた違う生きがいが生まれ、地方の農家の新しい生活習慣として地域の資源を活かし、人々を雇用する組織体としてこの明宝の地を盛り立てていきたいと考えています。



今後の明宝レディースの展望をお聞かせください。

interview_photo04.jpg 私たちは明宝レディース自体もブランド化し、そこが作っている明宝トマトケチャップもまた、地域全体のブランド化に貢献するようなものに育てていきたいと思っています。私たちは株式会社として加工製造業を運営しておりますが、旦那さんは皆、農業をしています。夫婦で農業をやっていくことに関しても、これからの時代は新しい動きが生れてくるのではないでしょうか。農業生産だけに留まらず加工製造、販売にいたるまで、農家が行うことができる幅も広がっています。地域の農家の主婦たちが加工製造を手掛けた一事例として、今後6次産業化の取り組まれる方たちの参考になればと思います。



サポーター

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豊かな明宝の自然の恵みを受けた地場産直・手作り商品の
真心を伝える担い手

明宝の特産品をはじめ、個性あふれる地元お土産品が一杯

support_photo01.jpg施設名:道の駅 明宝「磨墨の里」
ジャンル:道の駅
商品:地域の農作物を中心としたお土産品
観光に訪れた人たちでにぎわう道の駅「明宝」。岐阜県の郷土料理「鶏ちゃん」の定食を食べることができるレストランも併設され、通販も行われている。人気は「明宝ハム」と「明宝トマトケチャップ」。






清流と名水の城下町、そして郡上おどりのふるさと。岐阜県 郡上八幡

support_photo02.jpg観光地:岐阜県 郡上八幡
400年の歴史を持つ郡上おどりで有名な観光地。お土産店には、郡上おどりグッズや特産品のほか、明宝トマトケチャップも置かれており、人気を博している。

達人からのメッセージ

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◆達人の第6感
完熟トマトの旨みを活かしたソースは汎用性も高く、地元の主婦だけでなく全国の人々にも受け入れられうのではないかと確信を持って売り出した。

◆達人の教訓
農家の主婦たちも知恵を使って面白いことができる。それが生きがいになり、地域や家庭を潤すことになればなおいい。楽しくいつまでも働き続けることを目指したい。

株式会社明宝レディースの製品

001 明宝トマトケチャップ
岐阜県内で生産されるトマトを用いて、完熟のトマトの甘みを活かしたペーストは、さまざまな料理に使える便利なアイテムだ。

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002 明宝トマトケチャップスティックタイプ
明宝トマトケチャップの美味しさはそのままに、毎日のお弁当やお出かけに便利なスティックタイプにした、主婦ならではの生活シーンを考慮したアイデア商品。

商品紹介2.jpg

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