農業法人 有限会社わくわく手づくりファーム川北

達人名:入口博志(農業法人 有限会社わくわく手づくりファーム川北 代表取締役)
ジャンル:農業 Agriculture
地域:石川県能美郡川北町 Kawakita Nomigun Ishikawa

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地元特産六条麦を使った、GABA地ビールで世界に乗り出す
地元川北の地場産業を復興すべく立ちあがった、地域の名農業人

大学を卒業後、地元石川県に戻り就職。その後すぐに脱サラし繊維関係の加工業の会社を立ち上げる。一方で、26反ほどの農地を持つ農家の長男として、生産組合長や地域の減反政策についての話し合いなどに参画しながら半農半業の生活を送る。そんな中、農作物の生産だけでなく、加工を行いたいという発想を実現し、また地域復興の意味合いも込めて、1998年に農業法人 有限会社わくわく手づくりファーム川北を立ち上げる。地元の特産六条麦を使い、健康・機能性にも着目した“GABA”値の高い地ビールの生産に取り組んでいる。

■農業法人 有限会社わくわく手づくりファーム川北

インタビュー

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入口さんが取り組まれている六次産業化法に認定された事業内容についてお聞かせください。

interview_photo01.jpg私が経営している農業法人 有限会社わくわく手づくりファーム川北では、地元北陸三県で収穫できる麦茶などの原料になる六条麦を原料にした地ビールづくりに取り組んでおり、今後この生産販売を拡大していこうということで今回六次産業化法の認定を受けました。新商品開発のきっかけは、実はちょうど3年後、この石川県金沢に新幹線が開通することが決まっており、このタイミングでぜひ地元をアピールする商品を打ち出して、日本中の人や海外から訪れる観光客に提案していきたいという思いがあったからです。そこで、地元で大量に収穫されているけれども、利用できる範囲の小さい六条麦を使って何かできないかという発想を元に、地元の大学である石川県立大の榎本教授と連携しながら健康に関わる機能性に着目し、ストレス予防や血圧上昇抑制作用、肥満予防の効果があるとされている“GABA”値の高い地ビールの開発に成功しました。従来のビール麦で作られた地ビールよりもまろやかでコクがあり、麦の旨みを感じられる味わい深さが特徴です。むぎ茶の原料となる六条麦を有効活用した、100%金沢ならではのGABA麦地ビールです。

事業の立ち上げからこれまでの経緯や、この地域が抱える農業の課題を教えてください。

interview_photo02.jpgこの地域は水田地帯で、米の裏作として麦や大豆づくりが行われてきましたが、半農半業を行う兼業農家が多く、年々農業を営む人々も減ってきていました。しかし、我々としてはこの地元の美しい農村風景を残したいという思いがあり、麦や大豆を使ってなんとか農業による地域おこしや若者が働ける場所を作ることができないかと考えていました。そこで、1998年に私の呼びかけで、私を含む地元商工会有志4名によって、地域の町おこしを見据えた地場産業を作ろうと、農業法人を立ち上げることになりました。自分の畑でビール麦(二条大麦)を作ってみたところ、なかなか良い出来だったため、すぐにこの生産販売に着手しました。ところが、地ビールブームは一時的なもので、だんだん下火になりました。さらに、生産にかかる費用も高かったため、小瓶で480円という販売価格設定が高すぎて、販売数が伸び悩んでいました。しかし、他の地ビール生産者が、輸入した安いビール麦を使って販売価格を抑える方法を取っている中で、我々は“百姓が作るビール”ということで、他社との差別化を行うためにも自家製のモルトにこだわり、主に観光客向けの商品としてこの10年間販売をしてきました。ただ、二条麦は北陸の気候にはあまり適さないこともあり、できれば生産量が安定している地元特産の六条麦を使って地ビールを作りたいということは当初から思っていました。

6次産業化についての考えをお聞かせいただけますか?

interview_photo03.jpgそんな地ビールづくりの経緯もあり、より原料を調達しやすい六条麦を使った、地域振興を含めた商品づくりを行い、さらに、販売数を伸ばそうという取り組みが今回の6次産業化の事業なのですが、申請した大きな理由はやはり資金調達でした。ビールは商品化した時に、瓶や缶に詰めて出荷することになりますが、瓶・缶の発注は小ロットでは難しく、例えば缶では、一度に6万缶ほどの数になります。3種類のビールを作ろうと思えば、18万缶分を先行投資しなければならないのです。そこで、6次産業化を利用し、うまく資金調達ができればと思い申請に踏み切りました。
また、設備の増強も期待しました。麦は自分たちで生産できてもモルトを作るのは難しく、さらに、モルト作りのための設備を整えるためには1億円以上もの投資が必要になります。これまでは、石川県の補助と大学の協力を仰いで、しいたけの乾燥機を改造したモルト製造機を作り、これを活用していましたが、今回6次産業化のハード面での補助を受けて、本格的なモルト製造機器も作る目処が立ちました。

農業経営について、またこれから6次作業化に取り組みたいと思っている人たちに一言。

農業の難しさにはいろいろありますが、新規就農で農業をやることはとても難しいのではないかと思います。私も起業してからこれまでなんとか事業を継続させてこられたものの、生半可な気持ちじゃ絶対に無理でした。挫折して破たんすれば、再起も難しいほどの大きな借金を背負うことになる怖さが農業の経営にはあります。ですが、これから6次産業化を進めたい人たちに言えることは、自分の周りを見渡してみて、活用できるものを活用し、その中で何ができるか、また何が求められているのかを探して、タイミングやチャンスを逃さないということです。ここ金沢はグリーンツーリズムにも積極的な県です。世界的にもニュースになるほど、美しい農村の風景が広がり、県を挙げての体験型農業のテーマパークを作る構想があるほどです。私は、こうした考えを含んだ町のビジョンである「川北町 地場新産業創造構想」を指針とし、地域産業の振興の原動力となる企業を目指して、事業を進めていこうと思っていますし、これに伴い地元の企業との連携もできる限り進めていきたいと考えています。これからの農業は連携がひとつのキーワードになると思います。また加工品の分野がこれからの農業でも伸びてくる分野だと思いますので、女性が活躍する場も増えてくるのではないかと思います。むしろ農業の新分野では女性がメインになるかもしれません。

今後の新商品についての展望をお聞かせください。

interview_photo04.jpg新製品は缶に詰めて販売する予定なのですが、缶にすれば輸出もできるようになると考えています。幸い近くに小松空港があるため、こうした立地も活かして4,5年後を目処に海外輸出にも乗り出していきたいと考えています。ターゲットは韓国やアメリカですが、販路に関してはこれからは日本に固執することなく、世界を視野に入れながら事業展開をしていかなければいけないと考えています。また新たに開通する新幹線の中での車内販売用、金沢駅構内での販売をメインにしていきたいと考えています。いま商品デザインも企画段階ですが、ネーミングや缶のデザインにも金沢を打ち出したようなものにしていきたいと思っています。

サポーター

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川北町の地域産業振興の原動力となる企業を目指す
わくわく手づくりファーム川北のサポーター

ものづくりにこだわりのある金沢の地で創業。商品の顔づくりをお手伝い

support_photo01.jpg企業名:高桑美術印刷株式会社
ジャンル:印刷・デザイン業
「いいちこ」「大関」といった日本全国の酒の商品ラベルをはじめ、パッケージ、パンフレット、デジタルコンテンツなどを手掛ける印刷会社。わくわく手づくりファーム川北の新製品の企画に携わっている。
高桑美術印刷株式会社




年に4回、自慢の地ビールをお届け! 地ビール応援団員募集中

support_photo02.jpg名称:白山わくわくビール 地ビール応援団
ジャンル:通信販売会員
自慢の地ビールを年に4回特別価格で指定先へお届けする会員制の通販。通常は「コシヒカリエール」をメインに、職人の気まぐれで、期間限定ビールや他のレギュラービール「アンバーエール」・「ゴールドエール」などが届けられることも!? 団員は常時ホームページより募集中。
http://wkwkfarm.com/ouen/

達人からのメッセージ

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◆達人の第6感
むぎ茶の原料になる六条大麦で地ビールを作ってみたら、独特の風合いが活きた美味しい地ビールができた!これなら地元をPRする格好の商品が作れるのではないかと閃いた。

◆達人の教訓
言ったことは実現する、それが自分の生き様。農業は半端な気持ちではできないが、日本に固執することなくこれからは世界を視野に事業を展開していくべき。

農業法人 有限会社わくわく手づくりファーム川北の製品

001 白山わくわくビール
地元産二条大麦を使用した、わくわくのビール工房で醸造しているオリジナルレシピのビール。「コシヒカリエール」「アンバーエール」「ゴールドエール」の3種類のテイストがある。

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002 レストラン「ラ・プルーズ」
手づくりソーセージ教室が開かれており、小さな子供からお年寄りまで、地元の人たちが本格的な腸詰ソーセージ作りを楽しめる場となっている。

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