長井新宿港竜海丸

達人名:鈴木直樹(長井新宿港竜海丸)
ジャンル:漁業 Fishery
地域:神奈川県横須賀市長井 Nagai,Yokosuka,Kanagawa

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儲かる漁業で地域を元気にやれることは全てやる!
いい魚がいる限り前を向く、相模の海人

横須賀市長井にて先祖代々漁師を生業とする家系に生まれる。近海・遠洋の大型カツオ一本釣船で修行を積んだ後、親・兄と3人で鈴清丸を操業。その後、独立して竜海丸を始める。魚離れが進む若い世代や子供たちに長井漁港で獲れる美味い魚をもっと食べてもらいたいという思いから、2011年3月より自ら加工を手掛け、直売所を始める。現在、未利用の魚や部位を利用し、魚を気軽に食べてもらえるような新商品を開発するため、卒業校の水産高校や県内の農家と連携しながら新しいアイディアで商品開発を試み始めた。また、地元長井漁港が行う朝市に地元農家や飲食店に参加協力を求め、地域全体を元気にするべく仲間とともに奮闘している。

■長井新宿港竜海丸

インタビュー

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六次産業化法の申請をした背景・理由は何でしょうか?

interview_photo01-1.jpgとにかく魚が安くなっている。漁だけでは今後の展望が見えないなかで、どうにかしなくてはいけないと思っていたときに、普段から色々事業のアドバイスをして頂いている方にこの事業を紹介されました。ちょうど神奈川県内で既に六次産業化法で認定されている事業者へもこの方がアドバイスしていたので、詳しく説明を受けて申請してみたのです。魚を穫ることだけでなく、事業として色々始めることを考えると、六次産業化法の認定によって国がバックアップしてくれることに大きな期待感があります。普段感じているのですが、農業に比べて漁業はあまり大きく扱われない気がする。小さな漁業者だけれども、国の認定によって取り上げられると、注目されて、地域の活性化に繋がると考えました。

6次産業化ではどんなことに取り組んでいくのでしょうか?

interview_photo02-1.jpg例えば「シイラ」は、昔はそこそこの値段で売れて商売になっていたのですが、今は全く値が付かなくなってしまいました。食べたらすごく美味しいので、加工し、アピールして売れるようになれば、かつてのようにシイラ漁が出来るようになると考えました。それからイカ。イカは船上干しをしているけれど、肝は全部捨てている。これを何とか使えないか、型の小さなサバもそうで、所謂未利用となっている魚などを何とか使えないかと考えていたのです。でも、自分の力だけでは商品化は難しく、この6次産業化で実現できたらと思ったわけです。シイラは、今のところ、みりん干しやみそ漬けなどに加工しています。イカの肝は、これをベースにしてイカ肝ソースを開発したいと考えています。これからいろいろアイデアを出していきますが、自分が通った地元の水産高校と連携して、加工品の開発をしていくことも計画中です。出来た商品は、今は自分の店に出していますが、ネット販売を進めていきたいと思っています。また、既に六次産業化法の認定を受けている「さがみ湖有機畑」さんとのコラボレーションで、海と山が連携した商品開発を進めていて、イベントでお披露目するように計画しています。実は、イベントの名前も考えていて、「海彦・山彦祭り」と言います。楽しみにしています。

今直面している課題は何でしょうか?

interview_photo03-1.jpgこれからいろいろな商品を開発していきたいのですが、その一方で、売り先や売り方も考えなくてはならないと思っています。ネット販売も立ち上げるのは簡単に出来ますが、ネット上のお店に来てもらうのが難しい。また、商品を作るための原料の確保も考えないといけない。自分だけでやっているのでは生産量に限界があるので、他の漁師達から自分が買って集めたいと思っています。しかも、市場に卸す安い値段ではなく、適正な価格で買ってまとめれば地域の人達も少しは元気が出るはずです。買い付ける感覚ではなくて、獲った人達が自分で値を付けて売るという気持ちで持ってきてもらいたい。自分は窓口になって、品物を集めて売って、加工していけるような形に是非持っていきたいのです。

今後の具体的な展開をどのように考えていますか?

商品開発を進めていく一方で、来年にはJAの直売所の中に常設の魚コーナーを設置できるよう調整しているところです。地元で地元の魚を買って食べるのは当たり前のようですが、実はそれが出来ていないのが大きな問題なのです。こんな漁港でも、若い人たち、子供たちは魚の食べ方がわからなくなってきていて、刺身になっているなら食べるけれど、自分で捌こうとする人は少ない。この辺でもワカメを養殖しているのですが、ワカメはカットされているものと思っている子供もいます。折角、新鮮で美味しい魚が獲れても地元でうまく回っていかないことが残念でならない。このため、地元でしっかり売れるような場所を是非確保したいと思っています。直売所を作るのは、売り手と買い手がお互いに納得できる“良い値”で売り買いできるようにすることも含まれています。この海ではカニも捕れるし、アカザエビという高級なエビも捕れる。飲食店の方が食材として買おうとしても、今のシステムは市場で入札権を持っている人しか買うことが出来ない。市場に卸されると魚屋さんから買わないといけない。直売所ができると、漁師から直接買えるようになる。

6次産業化を進める際に感じたこと、提案などはありますか?

interview_photo04-1.jpg今長井では街全体に活気がない。でも、若い人達にはやる気が出てきています。少なくとも今の現状のままでは先がないので、何かをやることが必要だと思っています。漁師として色々始めることは不安もあるけれど、6次産業化をやっていて成功している人の例を見て、前向きに進むべきです。六次産業化法の認定は、やはりメリットが大きいと思います。さがみ湖有機畑さんとのコラボレーションもこの認定をきっかけとして始まったものですし、国の支援や知名度が上がるなど良いことが多いと感じています。でもその一方で、漁師をやりながらでは、早朝に漁に出て帰ってきて魚を捌いて片づけてとやっていると時間が取れない。だから申請の最初の時から手伝ってくれる人がいるとありがたい。申請書の作成ではけっこう苦労しました。事業の展望や具体的な計画について、これまでは考えてこなかったことをまとめなければならないので、自分の考えをまとめてくれるようなサポートがあると良いのですが。漁業者でも、みんな興味があるし、6次化をやってみたいと思う人は沢山いると思います。入り口で諦めてしまうかもしれません。そのような人を支援するような、早い段階からの相談などは是非やってほしいと思います。

サポーター

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高校生のアイデアを活かして新商品を開発し、
農産物に魚を加えて地元購買を促進する、地元パワーのサポーター

次の時代の地元の水産学を支える人材を育てる教育機関

support_photo01-1.jpg学校名:神奈川県立三崎水産高等学校
ジャンル:食品加工技術
乾製品、発酵食品、練り製品、缶詰など実習で培った技術と設備を活かしたコラボレーションで、新しい魚活用の道を拓く。
http://www.kaiyokagaku-h.pen-kanagawa.ed.jp/




地産地消の拠点としていつもにぎわう人気の店

support_photo02-1.jpg施設名:農産物直売所「すかなごっそ」
ジャンル:農産物直売
新鮮で安全・安心な農畜産物の直売所として大人気の施設。ここに魚も同居予定。獲りたての新鮮な魚の直売がもうすぐ実現。
http://www.jakanagawa.gr.jp/kn5128/sucanagosso/index.html

達人からのメッセージ

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◆達人の第6感
この海で獲れる魚はみんな美味い。隣の佐島漁港がブランドとして有名になって、同じ海で獲れる長井の魚は決して負けない。やれるはずだ。

◆達人の教訓
魚を獲るのだって、毎日、毎晩考え抜いて臨んでいる。そして色々なことにチャレンジする。考えてチャレンジするのはワクワクするくらい楽しい。一生懸命考えること、すぐに実行すること、前を向いて頑張ること。

長井新宿港竜海丸の製品

001 イカの船上干し
船上で開き、調味料を一切使わず潮風で干し上げた、イカの味わいを更に引き立てる「船上干し」、また、活きた状態で特製のたれを吸わせた「沖漬け」。どちらも味わい深い逸品。1本釣りの獲れたてを加工しているので鮮度も抜群!

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002 生ワカメ&茎ワカメ
茹で立てを真空パックした生ワカメ&茎ワカメ。一度茹で、さらに天日で干した乾ワカメも風味豊かでお勧めです。

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