農事組合法人 グリーン日吉

達人名:松尾武治(農事組合法人 グリーン日吉 理事 事業部長)
ジャンル:農業 Agriculture
地域:京都府南丹市日吉町 Hiyoshicho,Nantan,Kyoto

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京・丹波のふっくら高級黒豆をブランド化
他産地との差別化、世代を超えた黒豆の価値創造を担う仕掛け人

京都日吉町にて畜産業を営んでいたが、農協の役員をしていた関係で当時のJA日吉町の事業に関わるようになる。地域で農協合併が進み、平成12年にJA京都との合併の際、日吉町として農事組合法人を残す話が持ち上がり、農事組合法人グリーン日吉を設立し独立するに至る。日吉町の特産品である黒豆を生産、加工し、甘露煮やお茶、味噌、お菓子などバリエーション豊かな黒豆商品を展開。屋号を「京都黒豆屋」とし、全国的に販売を行う。今後、さらなる販路開拓のため六次産業化法の認定を受けるに至った。

■農事組合法人 グリーン日吉

インタビュー

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農事組合法人グリーン日吉立ち上げの経緯と黒豆加工品開発の経緯を教えてください。

interview_photo01.jpg昭和60年代くらいから、現在の農事組合法人グリーン日吉の前進であるJA日吉町が黒豆の加工をスタートしました。もともと日吉町では昭和40年頃に稲作の転作で黒大豆の生産を行うことが地域として推奨され、以来日吉町では黒豆を特産品としておせち料理用に、全国的に販売を行ってきました。日吉町産の黒豆は全国的にも高級品で、原料として供給するだけでも全国から十分な需要がありました。そんな中、敢えて黒豆の加工品を作るようなきっかけとなったのは、黒豆の価格が暴落した時です。また黒豆の需要がおせち料理などのお正月商品に限られていたことや、購入層も広がっていかないことから、若い世代を含めた購買層の開拓のために、さまざまなバリエーションで黒豆を楽しんでいただけるように商品化への試みが始まりました。そして次第に商品ラインナップも増えていきました。今では、生産から販売までのすべてを自分たちで手掛けているところは珍しいということで販売会などでも注目されています。ただ、販売先についての戦略や生産にかかるコスト削減の面は、今後の6次産業化の取り組みを含めた課題だと思っています。

6次産業化への取り組みに関して一番の課題はなんですか?

interview_photo02.jpg“安全・安心な食品の製造”をさらに徹底し、地域の特産品「丹波黒大豆」を使った加工品として、新たに量販店向けの「黒豆茶」「甘露煮」を商品開発・生産するというのが今回の六次産業化法で申請した取り組みの内容になります。量販店への販路開拓に取り組むこと、また、自社のネットショップ「京都黒豆屋」を活用して幅広く消費者に PR することで、新たな販売ルートを構築し、黒大豆の需要の拡大、農業経営の改善を図ることが目的です。課題としては、作れば売れる時代ではなくなった今、競合も多く、北海道産黒豆との商品の差別化など、自社ブランド確立のための営業努力が必要だと認識しています。味の品質は京都産の黒豆は全国一だと自負していますが、一般消費者が他の商品と価格を比べた時に、味や品質の違いについてより分りやすいよう、私たちは、伝える努力を行っていかなければならないと実感しています。北海道などのように広大な土地で大量生産すれば、生産コストは削減できますが、そうした商品との差別化をするためには、京都産のブランドストーリーを消費者に伝えていかねばなりません。そのためにはパッケージや価格設定、ネーミング、パンフレットなど一貫した商品デザインを作り上げる必要があります。価格に見合う商品の質をPRする手法を6次産業化の取り組みの中で表現していきたいと思っています。京都ブランドは、全国的に高級品として認知されていますので、本格的に販路の拡大を考えると、もう一方では、生産量と販売量の調整についても考えていかなければいけません。黒豆は収穫量が限られているため、例えば京都産に原料をこだわれば、現在の生産量の3倍までが限界です。ではそれ以上の量が必要なときはどこから原料を調達すればよいのか、そういう問題も出てきます。ひょっとしたら京都産という括りでは生産が追い付かなくなるかもしれません。そうした見通しを立てながら、量販店用のペットボトルのお茶などの販売戦略も考えていきたいと思っています。

海外展開への試みはありますか?

interview_photo03.jpg行政の取り組みとしては、京都ブランドを前面に打ち出した農作物による加工品の海外展開を積極的に行っています。しかし、そこでの課題としては、海外の人々には国内よりも一層、きちんと他商品と比べたときの価格の妥当性を理解してもらう必要がありますし、海外で販売する際のさまざまな表示の規定や輸出に関する商品の規制などについても、自分たちで学んでいかなければならないと思っています。現在はマンパワー不足もあり実現していませんが、将来的には、私たちも海外を視野に事業を展開していくべきだと認識しています。

6次産業化に期待するところはどんなところですか?

「地域資源活用・農商工連携」の場合は3分の2の補助率ですが、「6次産業化」は資金面ではあまり期待ができないのが今のところの見解です。しかし来年度は6次産業化で新たな施策も農水省から打ち出されるそうなので、今後の6次産業化の活用についてはこれからも継続して考えていこうと思っています。政府機関による支援のほかに、販売促進に関しては、地元の銀行も非常に協力的です。スーパーマーケットトレードショーなどにも出品して、小売業者との取引も広げていきたいと思います。私たちの商品は、味については、バイヤーの方には太鼓判を押していただいています。ですから、今後も実食していただける機会を設けて宣伝、PRができる方法を考えていきたいと思っています。また地元の大学ではノートルダム女子大の学生さんたちと共同開発した商品に「新食感 京じゅれ」というものがあるのですが、こうしたコラボレーションも進めて、若い世代や女性などこれまで購買層としては薄かった層にもアプローチできる商品開発も行っていきたいと思います。

今後の「京都黒豆屋」の展望をお聞かせください。

interview_photo04.jpg今後は商品をヒットさせるような販売戦略が大きな課題です。例えばテレビで取り上げていただくような仕掛けを実践するなどです。また黒豆はどうしても地味なイメージが強いので、お菓子の中でも洋菓子のパティシエさんと相談してなにかスイーツにできないかといった方法も検討中です。またブランデーやワインなどの洋酒とも合うので、おつまみになるようなお洒落感のある商品などもいいかもしれません。今は百貨店に出していますが、商品の良さを伝えていくためには、それ以外の販路も検討したいと思います。なぜなら百貨店に出すということはある意味、ブランド向上のためにはいいのですが、実際に売れるかどうかは別の話になってきます。今後はどうやって黒豆を加工し新しい商品を生んでいくか、また、楽しんでいただける消費者の裾野をいかに広げていけるかでしょう。

サポーター

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京都品質の味、形、ブランドストーリーを発信する
「京都黒豆屋」を支えるサポーター

京都黒豆屋を屋号にブランディング。商品ラインナップ全体での統一感を

support_photo01.jpgサイト名:京都黒豆屋
ジャンル:ECサイト
グリーン日吉のオリジナル製品を販売するECサイト。 「京都黒豆屋」をブランドとして消費者に認識してもらえるよう、屋号を大きく打ち出した。 個々の商品同士に関連情報をつけるなどして、商品ラインナップ全体に統一感や一体感を見いだしてもらえるように工夫している。
http://kuromame1.jp/




女子大学生と共同開発して黒豆の新食感スイーツが誕生!

support_photo02.jpg学校名:ノートルダム女子大学
ジャンル:大学
丹波黒大豆の煮汁を寒天で固めた飲むゼリー「京じゅれ」はノートルダム女子大学の学生と共同開発。「黒豆じゅれ」と「ゆずじゅれ」の2種類があり、ギフトとしても人気。

達人からのメッセージ

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◆達人の第6感
手間ひまかけた高級黒豆の味では、他の生産地に負けない。京・丹波の黒豆をさまざまな世代に受け入れられる商品に加工して、地元黒豆の美味しさは全国展開する!

◆達人の教訓
あくまで自分たちでの営業努力や他産地との差別化、ブランド化を模索するべき。屋号のネーミングを含め、ブランドとして一貫したストーリーを構築することが大切。

農事組合法人 グリーン日吉の製品

001 黒豆茶
京都府産黒大豆のコクと香りが楽しめる量販店向きの商品として開発したペットボトルの黒豆茶。健康志向の消費者を幅広くターゲットに、全国的に流通させている。。

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002 黒豆ぐらっせ
ブランデーの香りと黒豆の食感が楽しめる高級な味わいの「黒豆ぐらっせ」。“京・丹波の逸品”として観光客向けのお土産品として人気。美味しさはイチオシ!

商品紹介3.jpg

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