株式会社ごはん

達人名:大島知美(株式会社ごはん)
ジャンル:農業 Agriculture
地域:新潟県中魚沼郡 Nakauonumagun,Niigata

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オール津南産の有機栽培による商品づくり
地域を潤す日本の有機を世界に仕掛ける米奉行

300年以上前(記録上確認できる年代)から津南の地で代々農業を営んでいた稲作農家の家に生まれる。昭和48年から始まった国の減反政策により、自ら米の販売を拡大すべく、都心の百貨店を中心に全国への販売網を構築するために株式会社ごはんを設立。これが前身となり、その後農業生産法人を設立し、現在に至る。農業を営み、商品の原料を生産しながら、加工、販売まで手掛ける6次産業化への取り組みを進めている。魚沼産コシヒカリを中心とした高級米を始め、一級品の味噌や米を用いたお菓子など多岐にわたる高級食材の生産と販売を行い、海外からも高い評価を受けている。

■株式会社ごはん

インタビュー

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六次産業化法に申請した取り組みと、これまでの事業の経緯について教えてください。

interview_photo01-1.jpg私たちは、現在農業生産法人として活動をしていますが、その前身は、平成3年9月に農家が集まった組織を会社化したのが始まりです。昭和48年から50年にかけて減反政策や特別栽培米制度といった国の政策もスタートし、それらの諸制度に則った形で、農家による直接販売が可能になったことから、我々も首都圏の大手百貨店向けに営業を開始し、全国の消費者直結の販売を行うようになりました。その頃から市場では有機栽培米へのニーズが高くなり、一時期は10キロ2万円~3万円という高値がつくほどの状況でした。そこで私もいち早くこの分野に乗り出すために、自分が所有していた農地10反ほどを使って有機栽培米の生産に着手し、平成16年に農業生産法人にしたのです。現在は、魚沼産コシヒカリを通常の栽培方法の何倍もの手間暇をかけ、丹精込めた米づくりをすることで、“特別栽培”、“有機栽培”という付加価値の付いた最高級品質の米を市場に出すことができています。さらに、その米を使った高級味噌や、特別栽培のノウハウを活かして作ったトマトを加工しトマトジュースにするなど、独自の栽培技術を様々な作物に応用し、それらを使用した商品開発を進めることで、販売商品の種類を増やしています。この動きを推し進めるために六次産業化法の申請を行ったというのが今の事業の内容です。

農業を営みながら、株式会社として6次産業化に取り組む中で、どのような課題がありますか?

interview_photo02-1.jpg今、我々の生産している作物は、8割が有機栽培です。これは人と同じ道を歩いても仕方ないという考えのもと、皆がやらないのならやってしまおう、という考えから始めたことなのですが、そうはいってもなかなか簡単にはできません。自分も有機栽培による米の生産を手掛けるようになって、初めて嘘がない世界を作るということがいかに大変であるかを思い知りました。同時に、有機栽培はいくら高く売っても儲からないほど、採算の合わない事業であるという難しい面もありました。ですが、そこには面白さがある。処置しなければならない作業はどうしてもその日のうちにやらなければいけない。終わるまでやる。それまでは人間本位の農業だったのが、有機栽培で育てるならば作物本位です。雑草も虫も自然のなかで生きようとするわけですから、自然を相手に曖昧なことは一切できない。昼も夜もない仕事です。自然と真っ向から向き合う仕事だと思います。株式会社として有機米を扱うにあたり、一番課題となるのは、納期や生産量の調整、そしてやはり味の出来具合です。従来の農家の有機栽培というのは、今年はうまくできなかった、で済むかもしれません。しかし私たちにはお客様が待っているわけです。ブランドを守るためには、納期も信用の維持も当然必要になります。その中で、いかに品質を保ちながらお客様の信頼に答え続けていくのかが常に課題です。クレーム対応も5分といわず、すぐに対応しなければなりません。この苦しさを考えれば、従来の米を作った、農協に売った、今年は高かった安かったと言っていられる方が楽なのかもしれません。しかし、農業生産法人として商品づくりをしている意義をまともに見つめるのなら、これはやはりやるべき事だと思っています。

6次産業化についての考えをお聞かせいただけますか?。

interview_photo03-1.jpg農家の6次産業化についてですが、私たちは素材の味づくりから手掛け、加工して商品化するまで、すべてにこだわりをもち、自分たちで納得のいくものを作り上げることが、農家の6次産業化の最低条件だと思います。実際に商品を消費者に直販するためには、顧客管理やクレーム対応、商品管理に至るありとあらゆる販売専門のノウハウが必要ですから、当然自分たち1社ですべてできるとは思っていません。もしそれをやるとしたら、農家ではなく食品メーカーとして、ホールディングス化するしかないと思います。そのため、私たちは必ず販売専門の協力パートナーを入れて、消費者に直結する販売スタイルを構築しているわけです。もう一度確認しますと、6次産業化の本質は、ただ素材を生産し、それを加工して商品化し売り出すことではありません。農家ならではの味づくりを商品の付加価値にして販売するということが6次産業化の意味なのです。その付加価値によって、農家がこれまで商品の単純な原料の対価として得ていた収入を、商品の付加価値を上げる価値ある原料、素材の対価として農業の技術、手間暇そのものを収入にできるようになります。私たちの米は10キロで1万2千円~1万5千円と言われる高級品です。手間暇を掛けた分だけ農家が利益を得られるというのが6次産業化のいいところだと思っています。ただひとつだけ、私が6次産業化の施策の盲点であると感じている事は、生産地に直売所を作ろうとする動きです。地域活性化も重要ですが、直売所デフレと言われているなかで、例えば、津南町に直売所を作るために投資をしても、ものにならないどころか、農家に利益がないのでは意味がありません。直売所を産地に作って「どうするのか」がなければやらない方がいい。ですから、私が考えているのは、やはり名古屋や首都圏といった大都市に出ていかなければいけない。これに対する補助をもっと手厚くして欲しいというのが正直なところです。我々が現時点で進行中なのが、オール津南産の商品を引っ提げて名古屋に打って出ようという計画です。

今後の事業展望として、海外進出などについての考えをお聞かせいただけますか?

海外展開については、風穴を開けて、輸出で収益を上げていきたいという思いで、5、6年前から海外の販売会に出展し、実践販売を始めました。台湾をはじめ、フランスやハンガリーなどのヨーロッパにも輸出していました。2011年3月の震災により、海外への輸出計画も今は全面ストップしています。しかし、フランスをはじめ一部の国から「日本の有機作物が欲しい」という声があがっており、長い目で見れば、今後はどんどん輸出が増えればいいなと思っています。日本の農作物の評価は海外でとても高いということを、もっと日本の農家は意識してもいいかもしれません。その時に重要なのは、決して安く買いたたかれてはいけないということです。これは、台湾で魚沼産コシヒカリを販売した時の経験ですが、初めはやはり高いと言われる。しかし、米の美味しさを知ってもらうことにより、逆に飛ぶように売れるようになりました。国内の首都圏の消費者をターゲットにするのと、海外の富裕層をターゲットにするという視点は同じです。従って、農家も自らの商品の価値を海外に打ち出していけるということをもっと信じるべきなのです。さらに、今はTPP問題があるなかで、国際競争力のある商品づくりと海外への販売展開を視野にいれることは、次第にマストになるでしょうが、今現在、最大の障壁は、円高という問題がボディーブローのようにきいています。

6次産業化をこれから始めたいと思っている方に一言。

interview_photo04-1.jpg私が今やろうとしていることは、オール津南産の米の加工商品の開発ですが、なぜ地元の素材を打ち出すのかというと、地元が持ち上がらなければ、自分たちも上がっていけないからです。地域全体を潤すことのできる産業として、今こそ農業が立ち上がるべき時ではないでしょうか。そういう意味では、6次産業化は農業界全体、生産地全体の底上げ、産業としての姿勢を大きく改革するようなスケールの大きな取り組みの総称なのです。私も地元では、一風変わっていると思われているかもしれません。しかし、旧態依然とした農業ではこれからはダメだということを肝に銘じて、敢えて苦労する有機栽培を続け、加工商品の開発に乗り出しています。今後は、1次産業従事者が、こうした現実に目を開いて、自分たちで積極的に動いていかなければいけない。だからこそ、同じ思いを持つ者同士が手をつなぎ、大きなムーブメントにしていかなければいけないと考えています。

サポーター

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日本のトップブランド、新潟県魚沼産こしひかりの中でも一歩わきをはしる株式会社ごはんの特別栽培、有機米を支えるサポーター

新潟の名産品を都心の人々へ。年末恒例の販売会で株式会社ごはんのお米も大反響!

support_photo01-1.jpg施設名:大手百貨店
ジャンル:小売業
年末年始の催事や販売会では、丹誠込めて作ったこだわりの新潟県魚沼産のコシヒカリを中心とした、株式会社ごはんの商品は消費者に大好評。また、お中元やお歳暮の高級ギフトとしては「餅セット」が人気商品となっている。






元祖スキー天国新潟で遊ぶ、楽しむ、癒される。地元を盛り上げる観光スポット

support_photo02-1.jpg観光スポット:ニュー・グリーンピア津南
ジャンル:観光スポット
100万坪にもおよぶ広さを持つ高原リゾート。スキー場や飲食施設、温泉などがあり津南の観光スポットとして地域の文化発信の場所になっている。毎年二月に津南雪まつりをここで開催している。

達人からのメッセージ

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◆達人の第6感
有機・特別栽培により手間暇をかけ、丹精込めて作る最高品質の新潟の米。これを素材に農家ならではの加工品を作れば、その商品が持つ個性は人々に受け入れられる。もちスイーツは素材の旨みと食感が絶妙な自信作!

◆達人の教訓
石の上にも3年。どんなこともやり遂げることが大事。つくりたいものに徹底的にこだわりを持って取り組む。人とは違った、一歩わきをはしるようなオンリーワンの商品を粘り強く育てる。

株式会社ごはんの製品

001 特別栽培味噌「雪蔵」
魚沼産コシヒカリを使用した米麹を、全体の約50%とたっぷりと使用し仕込んだ高級味噌。大豆の香りと麹のしっかりとしたコクと旨味、ほのかな甘味が際立つ逸品。

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002 有機栽培期間中農薬不使用トマトジュース(無塩)
津南町沖ノ原大地で、独自の栽培技術により育てられたトマトを使用。トマトジュースのイメージを覆すすっきりとした味わい。

商品紹介3.jpg

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