株式会社香寺ハーブ・ガーデン

達人名:福岡譲一(株式会社香寺ハーブ・ガーデン 代表取締役社長)
※写真は、黒瀧 陽子様(株式会社香寺ハーブ・ガーデン 総務課長・企画課長)です。
ジャンル:農業 Agriculture
地域:兵庫県姫路市 Himeji Hyougo

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ハーブ抽出技術が農業の枠を超える
メイド・イン・ジャパンのハーブづくりの草分け

1983年より、世界のハーブを育て研究を始め、洋行を繰り返す。84年に日本各地のハーブによる村おこしに協力。その後ハーブを媒体として“自然と人”、“人と人”との関わりを考えたハーブ・ガーデンを香寺町に造る。京阪神のホテル、レストラン等との交流を深めながら、神戸布引ハーブ園開園にあたり指導・協力を行う。ほか、ホテルニューオータニ大阪、神戸ポートピアホテル等のサロンを担当。95年にニュージーランドのセント マーチンス ゼラニウム ナースリーとの姉妹ガーデン提携を結ぶ。このころから植物のもつ色素・香り・機能性や植物の共生の勉強を始める。2000年、読売新聞やPHPにハーブの記事を連載。2001年株式会社香寺ハーブ・ガーデンを設立。大阪大学・関西大学・兵庫県などと共同でハーブやバイオの研究を本格的に始める。2003年、野菜より抽出した不凍タンパク質の研究を行う。関西大学との共同ベンチャー有限会社ビック・ワールド設立。野菜とハーブを通して新しい予防医療を研究中。

■香寺ハーブ・ガーデン

インタビュー

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香寺ハーブ・ガーデンの事業内容や設立した経緯を教えてください。

interview_photo01.jpg代表取締役社長の福岡に代わりまして総務課長、企画課長をしております私、黒瀧がインタビューに答えさせていただきます。当社は関西の草分けハーブ・ガーデンとして26年前に創業し、100aの作付面積でフレッシュ&ドライハーブの生産・販売を行ってきました。現在は、地元農家と連携しトレーサビリティの明確な地元野菜やハーブを使ったスイーツやハーブティー、化粧品等の製造・販売を行っています。また、野菜やハーブのエキス化の研究を行い、産学共同研究により大根から不凍タンパク質の抽出に成功するなど、ハーブ抽出技術を応用した製品開発も行っています。販路としては、本店以外に梅田や京都の百貨店に3店舗の直営店、京阪神を中心に、積極的に催事に出店、また、最近は直営店が関東初進出を果たし、さらにはヨーロッパやアメリカにも広げているところです。元々は、この香寺町の地に人が集まる場を築きたいという思いから、1985年に社長の福岡が脱サラをして一軒のレストランを立ち上げたことが始まりです。レストランを経営しているうちに福岡がハーブに興味を持ち始め、世界中のハーブを見て回るようになりました。そんなある時、ヨーロッパの街で小さな子供が、茶がらのハーブをお風呂に入れるとよく眠れるのだと言っているのを聞いた福岡は、お母さんやおばあさんから伝え聞いた生活の知恵や伝統、文化がしっかりと人々の生活の中に息づいており、子供の物を大切にする心までを育てているのだと知り、感銘を受けたそうです。これを機に、私たちのレストランでは“ハーブを使った料理を出すお店”をコンセプトにし、さらに、ハーブを育てるだけでなく、県や工業技術センター、大学と連携し抽出装置を開発するなど、抽出エキスを応用した加工品を手掛けるようになりました。これらの経緯から、香寺ハーブ・ガーデンでは、ハーブの栽培から加工、販売まで、外部委託することなく自社で一貫して手掛けています。

香寺ハーブ・ガーデンの取り組む6次産業化の内容、きっかけや地域背景について教えてください。

interview_photo02.jpg6次産業化の取り組みの背景には、播磨地域の農業従事者の減少や高齢化、各農家当りの所得の減少の問題がありました。地域を活性化させ、農業基盤を強化するための新たな取り組みとして、新ブランド「播磨物語」を立ち上げ、播磨地域で採れるグルテンの多い国産小麦、米粉、野菜、フルーツなどに高品質野菜エキスを入れた商品開発をすることがその内容になります。パンやケーキ、クッキーの製造に関して、食品素材の完全地元化を目指して小麦は兵庫県産の「ミナミノカオリ」等を使い、地元産の米から製粉したパン用の米粉を応用した商品開発も行う予定です。また、食材を地元産にこだわっても都市部での販売は難しいことから、より高い付加価値を付け、他との差別化を図るために、ハーブエキス抽出で培った技術で開発した、かいわれ大根の抽出エキスを商品に使い不凍タンパク質を配合、でんぷんの老化防止や食品の食感を良くする加工品の開発を行っています。また、化粧品に関しても、不凍タンパク質を配合することにより無添加化粧品を実現しようとしています。加工場については、姫路市夢前町にある廃校となった山之内小学校を借り受け、ここを本社と併せて地域活性化の拠点としていきたい考えです。私たちが、地域農家により計画栽培された野菜やハーブを使いそれらを商品化することで、Uターン組や地域住民の雇用を促進することにもなります。ですから、今後も、農山村地域の雇用の確保と彼らの所得向上のために取り組んでいきたいと思っています。ハーブは農作物と同じように天候に左右され、またこの地域ではイノシシ被害によって収量が安定しないことが課題でした。また、抽出できるエッセンシャルオイルの量が少ないことから、収益の確保が難しいという問題もありました。そこで、ヨーロッパの中でも一番厳しいといわれるドイツの規格であるコミッションEに適合する品種を選定し、しっかりとした栽培方法を確立して高品質のドライハーブを生産することを目標とし、本来、ハーブは欧米が本場ですが、日本発の品質の高いハーブで世界市場を狙いたいと思っています。

海外展開を含めた、今後の事業の展望をお聞かせください。

interview_photo04.jpg海外への展開については、私たちはこれまで、2008年にフランスのコスミーティング、アメリカのナチュラルプロダクトエキスポ2010といったハーブのコスメ展示会に出展するなど、海外へも目を向けて商品PRをしてきました。海外の展示会の際には、ハーブティーや柚子のエッセンシャルオイルを紹介したところ、欧米では柚子という植物を知らない人が多く、姫路産柚子の新鮮な香りはとても好評でした。アメリカのあるフレグランスを作っている会社から、日本の柚子の香りが欲しいといわれ、取引額はまだまだ少量ですが、輸出も始まりました。海外で私どもの製品を取り扱っていただくために、ハーブの世界基準に沿う製品づくりも進めていきたいと思っています。TPPの問題についても、日本の土づくりから始まる、海外のものに負けない農作物をしっかりと作っていくことが、まず第一だと思っています。

今後の日本の農業や事業ついての考えを聞かせてください。

interview_photo03.jpg代表取締役の福岡は、「これから先細りになる農業という分野では、現状維持ではやっていけない。農産物から医療や工業など他産業へ影響を与えられるようなことを行うことで、10年後、20年後を見据えた農業改革を目指す。」という考えの下、研究開発型のハーブ園を標榜してきました。農業で造られた農産物から農業を変え、他産業に影響を与えるような製品づくりを行ってきました。例えば、関西大学と共同開発した不凍タンパク質含有大根エキスですが、これを使えば冷凍食材の天然原料の品質保持剤として用いることができ、住宅の壁紙の糊としての活用や、さらには医療分野においても、臓器移植などの際には血液や臓器の保存液としての実用の可能性など、今後もいろいろな方面から期待されています。ハーブといえば、よく“癒し”や“安らぎ”のために用いられるものというイメージが一般的には普及していますが、我々はそれだけではなく、他産業で応用ができる技術やアイデアを持っているということが、他のハーブガーデンとの違いです。農業に携わる方々は、なかなか自分たちのアイデアを形にする機会には恵まれていないのではないかと思います。やはり、自分たちに何ができるのかという軸を持って積極的に情報を得るために出ていくことが大切です。独自のアイデアを持つことで協力者が集まり、情報提供やチャンスをいただけることにつながり、事業展開の大きな力になっていくと思います。私たちは10年、20年後の農業を見据えて土づくりなどをしながら真剣に農業に取り組んでいる農家の方々、そして若い世代の人々、その子供たちまでもが、きちんと生計を立てていけるような農業環境を作ることが本当の6次産業化だと考えています。

サポーター

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自然と人間との関わりの大切さを改めて感じさせる、
香寺ハーブ・ガーデンの世界を伝えるサポーター

香寺ハーブ・ガーデンの世界を伝える直営店

support_photo01-1.jpgジャンル:直営店(百貨店内)
香寺ハーブ・ガーデンの世界を伝えるため、近畿圏の百貨店などに直営店を構える。ハーブの基礎化粧品にエッセンシャルオイルやハーブティーはもちろん、自然農法で栽培した旬の野菜やパン、お薦めスイーツなども多数ラインナップ。2012年3月には関東にもオープンした。





地域住民たちとつくる香寺ブランドの野菜の育成を目指して

support_photo02-1.jpg活動名:野良の学び舎
香寺町で生産された安心安全な新鮮野菜を取り扱い、地域住民に供給すると共に、新鮮野菜を通して消費者の方との触れ合い・交流を行い、信頼される香寺ブランドの野菜の育成を目標として活動する会。

達人からのメッセージ

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◆達人の第6感
ハーブ抽出技術を使って開発した不凍タンパク質を配合した食品、製品を展開すれば、他産業の分野へも販路が広がり、人々の暮らしのために役立つのではないか。

◆達人の教訓
これから先細りになる農業という分野では、現状維持ではやっていけない。農産物から医療や工業など他産業へ影響を与えられるようなことを行うことで、10年後、20年後を見据えた農業改革を目指す。

株式会社香寺ハーブ・ガーデンの製品

001 ユズのエッセンシャルオイル
兵庫県産のユズから抽出されたエキスは日本人に馴染み深い香り。ユズそのものを活かしたフレッシュな香りが心を解きほぐす。口に入れても安全な成分からできている。

商品紹介1のコピー.jpg

002 自家製のユズパン
ユズを練りこんだ生地で作った自家製のパンは、口に入れた瞬間に香ばしいパンの香りとユズの香りがマッチングする絶妙な味わい。

商品紹介7.psd

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