有限会社 田舎暮らし

達人名:中島健太郎
有限会社 田舎暮らし 代表取締役 社長
ジャンル:農業 Agriculture
地域:京都府福知山市夜久野町直見 Yakunocho Fukuchiyama-city Kyoto

33A2.pngスクリーンショット(2012-09-26 17.02.46).png

食べることは生きること。決して欠かせないもの。
だからこそ、農業には可能性がある。

京都府福知山市夜久野町直見出身。37歳。綾部高等学校東分校農業科卒業。
勤めていた地元企業の倒産を機に、新たな農業の可能性を探りたいと農業に参入。実家は兼業農家。地元高校の農業科出身で、もともと農業に興味があった。京都府の就農支援制度を利用して、平成13年から2年間、農業研修を受けて、平成15年に就農。自宅そばに、食品加工所を建設し、平成17年3月に(有)田舎暮らしを設立。現在、自ら生産した米を使用し米粉づくりをメインに、米麹、おこわ、お餅などの加工品製造に取り組む一方で、農業環境に害をもたらしていた鹿や猪も資源化する事業に挑戦している。
(2012年11月5日 取材・撮影/RPI)

■有限会社田舎暮らし
http://shop.gnavi.co.jp/z468100/


インタビュー

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鹿や猪による農作物被害から逆転の発想へ

33B.png鹿肉の中で、最上級の「背ロース」。お刺身としても食べられる。 京都府福知山市夜久野町。この町の人口は4,000人を下回る。産業は農業。見渡す限り山に囲まれた、のどかな町である。この町の深刻な問題、それが鹿や猪による農作物への被害である。田んぼや畑をよく見ると、一面にネットが張り巡らされている。人口を上回る数の鹿に悩まされ、夜久野町だけで年間約600頭を駆除、福知山市全体では3,000頭を超えるという。中山間地帯での農業は、まさにこの獣害との戦いである。
 これを逆手にとって、資源にしようと考えた。「僕も、鹿や猪の駆除隊に参加していました。駆除して埋設していたが、埋設もしっかりやらないと、他の動物に食い荒らされたり、処理が大変。猟師さんも、埋設する場所もなくなってきて困っているんです。」それならば、せっかくの命なのだから資源として生かしたいということで、新たに食肉処理の加工施設を整備(2013年春完成予定)することに。狩猟期、鳥獣被害対策実施時期に捕獲した野生の鹿、猪を食肉として販売。骨は乾燥させてペットフードに加工するなどして利用すべく、これらの事業計画を六次産業化法の認定に申請した。
 「鹿肉は高たんぱく、低カロリー、鉄分もたっぷりということで、女性にぜひおすすめしたい食材です。昨今のジビエ料理ブームに、資源として再利用できます。ですが、実は、ちゃんと肉用に獲った鹿肉でないと美味しくないんです。適切な捕らえ方で、正しい血抜きの処理を行い、なおかつ脂がのっているものはかなり美味しいものになります。私は美味しい肉を、調理方法も合わせて商品にしていきたい。」と、猟師でもあり、かつては和食レストランでの経験をもつ中島さんは話す。商品化された後は京都の調理組合などや食材卸などと連携をとり、たくさんの飲食店で使用してもらえるよう、広げていきたいと思いを語った。上手に料理すれば、臭みもなくおいしい肉。鹿肉が産業として成り立っていき、少しでも農業がやりやすくなり、動物の害も減少すれば、一挙両得である。



自慢の米とこめ粉を使った加工食品の開発

033F.png夜久野町の道の駅「匠の郷 やくの高原市」。近隣の農家から、穫れたての米や野菜などの農産物、味噌やジャム、佃煮などの農産加工品などが集まる。 現在、保有している圃場は4ヘクタール、受託作業している圃場が8ヘクタールほどある。来年にはさらに約30アールほど増える予定だ。栽培しているのは、うるち米はこしひかり、もち米は新羽二重もち米。粘土質の肥沃な土地、きれいな水、そして日照時間と、3拍子揃った環境に恵まれ、減農薬で栽培されたお米は、夜久野町の中でも評判のおいしさだ。申請こそしていないが、特別栽培米、エコファーマーの基準をクリアした品質を誇っている。

 この米を利用してこめ粉、米麹、お餅に加工。さらに、毎日朝早くから、おこわや巻き寿司、和菓子等を作り、道の駅や旅館、商店など、13カ所の直売所に卸しているほか、委託販売をお願いしている所が20店舗。自ら営業に出向き、販路の開拓にも積極的だ。「よもぎ餅やさくら餅、柏餅など、季節の和菓子が人気ですが、日持ちしないのが難点。おせんべいやおかき、シフォンケーキ、サブレなど、日持ちのする加工食品の開発に力を入れていきたい。」と語る。





あきらめない。チャレンジすることをやめない。

33C.png周囲を緑濃い山々に囲まれた町。都会では味わえない、まだまだ手つかずの自然の魅力がたっぷりだ。 そもそも中島さんは、農業に参入する前から、6次産業化の必要性を感じていた。「単に生産するだけの農業ではなく、生産して、加工して、付加価値をつけて販売する。それには農地だけでなく、加工する場所の整備も必要になってきます。最初に有限会社を立ち上げ、食品加工所を設立した時は、資金面で大変でした。六次産業化法認定後に受けられた支援はとても大きいんです。経済的基盤があってこそ、新たな取組に挑戦が出来るというもの。力になるし、とても大事だと思います。私の場合は、『農業ビジネスセンター京都』の方に六次産業化法の認定制度のことを聞き、具体的に申請書類の書き方などを教えていただいて、今日に至りました。また、たとえば販売ルートの確保やパッケージデザインなど、各分野のプロに教えていただけるプランナー制度もあるので、今後、積極的に活用していきたい。」

 夜久野町で就農しているのは、ほとんどがお年寄りだ。しかも、年々減少傾向にある。「自分のように、農業に従事して生計を立てている若い人は、町ではほんのわずか。日本は食料自給率も低いし、農村地域は錆びれる一方です。だけれど、農業にはまだまだ可能性がある。農業で生活ができて、楽しく豊かな生活が出来る。そんな仕組みを作っていきたいし、その見本となっていきたい。」
 そのためにも、重要になってくるのが夜久野の町としての役割り。「自家製の米や野菜など、地元のものを大事にして経済循環をさせていくことも大切ですが、過疎が進む町だけに、都市との交流をもっと進めていかなければいけないと感じています。都市に出て販売すると同時に、都会の方に町に来てもらって、農業体験、収穫体験をしてもらうなどして関わってもらう。そういった体験を通して、農業の良さ、新鮮な野菜の良さなどを知ってもらうことで、若い人が増え、農業をして生活できる。そんな町づくりを目指しています。」夜久野という町で農業を生業としながら、それを後継させていく。それが自分の子どもたちの将来の夢へと繋がり、道しるべとなることを見据えている。
 単なる農業という枠組みにとらわれず、農業を基盤に、町の活性化に取り組んでいこうとする中島さんの挑戦は、まだまだ尽きることがない。まだ始まったばかりだ。




サポーター

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ここで働く仲間、外部でサポートしてくれる仲間がいて成り立っている

033Z.png 農業に参入することを決めた時、最もお世話になったのが今は亡き堀島保夫さん。同じ町内にある「末広ライスセンター」の前代表取締役だった。就農研修をさせていただいた他、農業全般にわたって鍛えていただいた。農業的つながりの中では、今でも一番のサポーターであると感謝している。この方を語らずして、今の自分は有り得ない。
 そして月並みだが、やはり両親や子どもたちの力は大きい。両親は経理的にも厳しい状況下でもいつもサポートしてくれたし、忙しくて子どもに手が回らずに我慢してもらったことも何度もあった。それでも子どもたちから向けられる笑顔が大きな力となった。そして頼りになる2人の従業員。大きなイベントがあると、子連れで一緒に応援してくれる。素晴らしい仲間のサポートがあってこそ、次の目標へと意欲的に向かっていける。改めて感謝したいサポーターたちである。







達人からのメッセージ

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農地を守るための米づくり。
中山間地帯ならではの獣害から守る発想の転換。
共に共存できる、町の新たなブランド加工品づくりに挑戦する。

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有限会社 田舎暮らしの製品

001 米/こめ粉/米麹
粘土・きれいな水・西日と三拍子揃った、丹波夜久野の「相谷米 こしひかり」。
5kg:販売価格(税込)2,980円、2kg:販売価格(税込)1,280円
こめ粉 300g:販売価格(税込)330円
米麹 500g:販売価格(税込)600円

33S1.png相谷米 こしひかり
33S2.png夜久野産こしひかりのこめ粉
33S3.png手作り米麹

002 おこわ/お寿司
自家製の新羽二重もち米を使った人気商品、季節の餅菓子、おこわ、寿司。
丹波大納言 よもぎ餅:販売価格(税込)500円
五目おこわ:販売価格(税込)450円
巻き寿司:販売価格(税込)400円

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003 餅
自家製の新羽二重もち米100%の自信作。
本格杵つき丸餅(5個入り):販売価格(税込)400円

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004 米粉のシフォンケーキ
自家製のこめ粉を使用したシフォンケーキ。ほんのり優しい甘さと香りが人気。
米粉シフォン:販売価格(税込)500円

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