有限会社ハニー松本

達人名:代表取締役 松本吉弘 Yoshihiro Matsumoto /営業部 伊藤身輔 Shinsuke Itou
ジャンル:畜産業 Livestock agriculture
地域:福島県会津若松市  Aizuwakamatsu City Fukushima

44A.pngスクリーンショット(2012-09-26 17.02.46).png

老舗養蜂舎が取り組む新たな6次産業化。
支えるのは3人の従業員と1200万匹のミツバチ。


福島県全体で生産されているハチミツの約7割は、会津若松産のものになる。その会津若松で、70年に渡り養蜂業を営んでいるのが有限会社ハニー松本。年間の生産量は12トンを誇り、今でいう6次産業化への取組は創業当時から行われ、ハチミツと様々な素材を組み合わせ、加工食品以外にも石鹸やクリームなども開発・販売。そのアイディアは尽きず、今回の六次産業化・地産地消法に基づく総合化事業計画では、ハチミツと“なつはぜの実”を合わせたフルーツソースの開発を申請。認定されてからこの一年、思考錯誤の商品開発から、今春、試作品販売の目処が立つところまでこぎつけた。インタビューは、職人気質で恥ずかしがり屋の二代目の社長・松本吉弘さん(写真左・53歳)に替わり、松本社長の手となり、足となり、顔となり、支えている従業員で甥の伊藤身輔さん(写真右・31歳)が応えてくれた。お二人とも養蜂一筋ではなく、松本社長は和食の料理人を、伊藤さんは事務機器の販売を経験。異業種で培ったアイディアや行動力を活かし、会津若松の老舗養蜂舎は新たな6次産業化に取り組み始めている。
(2013年2月7日 取材・撮影/RPI)

有限会社ハニー松本 養蜂舎

インタビュー

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蜜源豊富な養蜂に適した盆地・会津若松で、
年間12トンの天然ハチミツを生産

44B1.pngハニー松本の巣箱の数は約300個。最盛期では、ひとつの箱にミツバチが3~4万匹集まるので、トータルで約1200万匹ものミツバチが働いている。伊藤さんはミツバチを1200万の従業員と紹介してくれた。 四方を山に囲まれた盆地に開けている会津若松。豊かな自然の中には多くの蜜源があり、養蜂に適した場所として知られる。「小さなところでは、趣味で5箱ぐらいで養蜂をされている方もいますが、大きくなると300箱規模で行っています。弊社も300箱規模で養蜂業を営んでおり、年間約12トンのハチミツを採取しています。」と話してくれたのは、ハニー松本・営業部の伊藤身輔さん。福島県で生産されるハチミツのうち、会津若松産のものがその約7割を占めるというのだから、圧倒的な生産量だ。

 ハニー松本の従業員は、伊藤さんはじめ3名。先代の奥さんと2代目の松本社長を合わせると5人。家族・親戚で養蜂を営んでいる。創業から70年、一貫して自家採蜜にこだわり、無加工のままの天然ハチミツの生産を続けている。ハチミツの種類は、日本で一番消費されているアカシアやヤマザクラ、ノバラ、ハギなど10種類以上あるが、ハニー松本の主力商品は、会津若松の資源ともいうべき“トチノキ”から採蜜されたハミチツで、これが3分の2を占める。

創業から取り組んできた6次産業化
今回の商品開発のキーは“なつはぜ”

44B2.png養蜂業者は桜の花が咲く頃から最盛期(5月中旬〜6月下旬)に向け、その準備で忙しくなる。秋まで働いてくれたミツバチは、冬になる前に暖かい房総半島やいわき市へトラックで運ばれ越冬する。 創業当時から商品開発への意識が高く、各種ハチミツの他、プロポリス、ローヤルゼリー、ナチュラルスキンケア等、ハチミツを加工した商品を次々に開発・販売。ハニー松本では、今でいう6次産業化への取組は早くから行われていた。近年、農商工連携の支援も受け、アドバイスをくれるプロとの出会いから、六次産業化・地産地消法を知ることになった。今回、新たな商品開発で六次産業化・地産地消法に基づく総合化事業計画の申請を行い、認定を受けた事業内容について、伊藤さんが話してくれた。

 「希少価値の高い“なつはぜ”と弊社のハチミツを組み合わせたフルーツソースの開発です。アイディアは社長からで、福島県ハイテクプラザ会津若松技術支援センターで行われた講習会で“なつはぜ”についての説明を受けた時に、ひらめくものがあったようです。ご存知でない方も多いと思いますが、“なつはぜ”はブルーベリーによく似た果実で、目にいいと言われるアントシアンや、アンチエイジングに良いと言われるポリフェノールを、ブルーベリーの3倍以上も含んでいるものなんです。これをハチミツと合わせ、フルーツソースとして商品開発していくために、六次産業化・地産地消法の力を借りようと申請を行いました。」


一年をかけて商品開発、
今春から試作品販売に乗り出す

44B3.png新商品“なつはぜ”を使ったフルーツソースとの組み合わせに選ばれたハチミツは、なつはぜとの相性が良く、供給量の多いトチノキ。地元ならではの天燃ハチミツを使って、商品開発をしたいという思いも含まれている。 これまで様々な商品開発に取り組んできたハニー松本だったが、今回の“なつはぜ”を利用した商品開発には一年を要した。ハニー松本で生産されている10種類以上のどのハチミツと“なつはぜ”の相性がいいのか、供給量の面も含め試行錯誤を繰り返す。社長・従業員という立場も、叔父・甥であることも関係なく意見を出し合う。だが最終的には松本社長が判断する。「元、料理人ですから、味に関しては厳しい面があります。」と伊藤さんが話す。開発は商品の中身だけでなく、商品名はもちろん、パッケージ、チラシなどのDM制作など多岐に渡る。養蜂の現場から営業、商品開発まで、一人で何役もこなす伊藤さんを支えてくれたのが6次産業化プランナー。6次産業化プランナーからのアドバイスも受け、徐々にカタチが決まってきた。

 商品名は「恋する和ベリーととろけるはちみつ」。容器は瓶ではなく、最後の一滴まで絞り出せるプラスチック製の柔らかいパックにした。でもそれだけでは安っぽく見えてしまう。希少価値の高い“なつはぜ”を使った、栄養価が高く、美容効果も期待される高級品にふさわしいパッケージにしたい。そこでアルミ缶を使うことにした。一見、食品には見えにくい可愛らしいパッケージ。ターゲット、販路はどう展開していくのだろう?


HACCPを取得して海外にも
進出していきたい

44B4.png今後、6次産業化を目指す方へのアドバイスとして、「商品開発と同時に衛生面にお いても気を遣わなければ、それでもし事故があったらすべてを失ってしまいます。」 と伊藤さん。 伊藤さんが話してくれた。「これまでのハニー松本のメインとなる顧客ターゲットは、美容への関心が高く、ハチミツの栄養価を理解してくれる中高年の女性でした。販路は、直売所や通販での直接販売のBtoC、お土産売り場などギフト商品として小売店に卸しているBtoB、ともに半々です。ですが、今回の新商品については、若い女性もターゲットに取り入れ、雑貨店などに置いてもらい、プレゼントとして買ってもらえるような方法も考えています。」

 「前職の事務機器販売では、すでにできあがっていた商品を販売していましたが、今の仕事では物作りの最初から関われることが、とても楽しいです。」と話す伊藤さん。「恋する和ベリーととろけるはちみつ」については、今春、試作品販売を行い、顧客からの反応を見て、またさらなる商品開発を行いブラッシュアップを重ねていく予定だ。ハニー松本の今後の展開についても「海外も視野に入れ取り組んでいきたいです。そのためにもHACCPの取得は必須だと思い、勉強しているところです」と話す。社長の手となり、足となり、顔となり、と自身のことを伊藤さんが話していたが、松本社長の思いも一緒に語ってくれていたようだった。

サポーター

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ここで働く仲間、外部でサポートしてくれる仲間がいて成り立っている

44S1.pngミツバチ
ハニー松本の大切な従業員1200万匹のミツバチ。1匹あたり一生で5gの採蜜をする。採蜜にあたっては偵察隊のミツバチが蜜源を探しあて、あとから大勢の仲間を連れてくる。ミツバチたちは同じ場所で集団で仕事をすることから、蜜源の特定がしやすくなる。




44S2.pngハニー松本 スタッフ
先代の奥様、2代目の松本社長、そして従業員3名。家族経営で力を合わせ、創業70年の老舗養蜂舎の暖簾を守る(写真は採蜜中の社長の奥様)。






44S3.pngハニー松本 直売所
西会津若松駅から100メートル。事務所に併設された直売所には、主力商品の天然ハチミツからプロポリス、ローヤルゼリー・ナチュラルスキンケア等、ハチミツ加工品がズラリ!
福島県会津若松市材木町2丁目1-4
TEL.0120-888-328
営業時間:8時~19時 休:不定休

達人からのメッセージ

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地域とともにある養蜂舎ですから、会津若松の素材を使って、自分のところのハチミツを組み合わせ、商品を作りだしていきたいと考えています。これからも動きながら常に考え、思考錯誤しながら答えを導き出していきたいと思っています。

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有限会社ハニー松本の製品

001 恋する和ベリーととろけるはちみつ
今回の六次産業化・地産地消法に基づく総合化事業計画で認定を受け開発された商品。和製ブルーベリーと言われ、ポリフェノール含有量が高く、健康にも良いとされている高級品“なつはぜ”とトチノキの天然ハチミツを組み合わせたフルーツソース。小売価格は1,500~2,000円を予定。若い女性もターゲットに取り入れ、雑貨店などでの販売も予定している。

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002 天然ハチミツ
ハニー松本の主力商品の天然ハチミツ。左からヤマザクラ、トチノキ、アカシア。色が濃いほど鉄分の含有量が多い。

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003 高麗人参はちみつ漬けと高麗人参あめ
会津若松は歴史的背景により、江戸時代より朝鮮人参の栽培が許されたところ。地元産の朝鮮人参を使った地産池消の人気商品で、ハニー松本の加工商品第1号!

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004 はちみつ酒 会津ミード「美禄の森」
地元産のトチノキのハチミツを原料にした醸造酒。ワインより甘めで、食前酒、お祝い事、贈答品として人気。製造は峰の雪酒造場。

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005 みつばちハニー石鹸
松本社長オススメの弱酸性石鹸。ハチミツの持つ保湿力、肌の栄養分となるローヤルゼリー、殺菌効果の高いプロポリス、肌に潤いを与えるコラーゲンなどを含んだ、材料にこだわった商品。

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