会社員としての人生に疲れてしまいスローライフに憧れを持つ人が増えているようです。都会から少し離れた地域に移住して、のんびりと農業を始めたいと考えている人も多いのですよね。ですが、収入の事も考えていますか?本記事では、脱サラして農業を始める人の収入に関する情報をまとめました。
脱サラから数年は収入なしの赤字を覚悟しなければいけない
前回の記事「農業はやめておけと言われる理由」でも紹介しましたが、農業は意外とリスクが大きく、収入が低いというのが現実です。
よくインターネットや雑誌などのメディアで見る「脱サラして農業でこれだけ稼げるようになりました!」というのは、農家全体のごく一部だと考えてください。
また、記載しているのが所得ではなく、年商だったりして本当は年間に200万円程度しか稼げていないという可能性もあります。
メディアの情報を鵜呑みにしないようにしましょう。
都会で会社員をしている人が脱サラして農業をする際は、土地の購入や設備投資といった様々な出費が必要となるので、数年は赤字で生活する覚悟も必要です。
脱サラ農家の大まかな年収例

農業においては、多くの要因が収入に影響します。例えば、作物の種類、栽培方法、天候、市場の需要と供給、地域の地価、競合他農家などです。そのため、平均的な収入は特定の場所や作物に依存するため、一概に言えません。
一般的には、農業初心者は初年度から利益を得る事はかなり難し多く、数年かかって利益を上げる事が多くなっています。
以下が、日本国内での農業初心者の平均的な収入を、経過年数と共にまとめたものとなります。
1年目
・収入:ほぼゼロまたは赤字
・費用:土地購入、設備投資、作物栽培費、生活費などがかかるため、大きな出費が必要となる。
2年目
・収入:約200万円程度
・主な作物:野菜、果物、米、畜産など
・費用:設備投資、作物栽培費、生活費などがかかるため、依然として大きな出費が必要となる。
3年目
・収入:約400万円程度
・主な作物:野菜、果物、米、畜産など
・費用:設備投資、作物栽培費、生活費などがかかるが、前年度よりは収入が上がるため、やや余裕が生まれる。
4年目以降から安定した収入を得られるようになる
上記を見てもらえばわかる通り、1年目と2年目は農業に慣れるだけで精いっぱいとなります。
会社員時代と同等、または少し余裕がある生活を送れるようになるのは早い人で3年目以降です。
残念ながら上記は、脱サラして農業を始めて上手くいったケースの収入になります。
半数以上の人は、上記よりも少ない利益でやりくりしています。
上記はあくまでも一例ではありますが、農業初心者が脱サラして農家になる際は、事前にリスク分析を行い、専門家や先輩農家からアドバイスを受けることをお勧めします。
まとめ
脱サラして農業を始めた人の多くが安定した収入を得るのに数年以上かかっています。
農業を始めたからといってすぐに利益が出るわけじゃない事は、冷静に考えるとわかりますよね。
脱サラして農家に転身しようと考えている人は、まずは落ち着いて事前情報の収集やリスクの分析を行いましょう。